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行政書士山本貴史事務所です。

交通誘導警備を行う警備会社にとって、必ず理解しておかなければならない重要な制度。
その一つが「認定路線」となります。
警備業をこれから開業する方や、初めて交通誘導警備の現場を受注する方から、次のような相談を受けることがあります。
「交通誘導警備をする場合、必ず資格者が必要なのですか?」
「一般道路なら資格者はいなくても大丈夫ですか?」
「工事現場が認定路線かどうか、どのように調べればいいですか?」
これらの疑問を解決するためには、交通誘導警備業務検定合格者の配置義務について正しく理解する必要があります。
交通誘導警備は、道路工事や建築工事など多くの場面で必要とされる重要な警備業務ですが、場所によっては法律上、一定の資格を持った警備員を配置しなければならない場合があります。
特に、
- 高速道路
- 自動車専用道路
- 都道府県公安委員会が指定した道路(認定路線)
では、通常より厳しい配置基準が設けられています。
この記事では、警備業に特化した行政書士が、
- 認定路線とは何か
- なぜ認定路線が指定されているのか
- 交通誘導警備業務検定合格者の配置義務
- 認定路線の確認方法
について、警備業法や警察庁の解釈運用基準を踏まえて詳しく解説します。

交通誘導警備とは?
まず、認定路線について理解する前に、この記事を読んでいただいている皆さんと認識を共有する為に、そもそも交通誘導警備とはなんなのかについて簡単に確認しましょう。
交通誘導警備とは、警備業法上の2号警備業務に分類される警備業務です。
具体的には、
- 道路工事現場で車両や歩行者を誘導する
- 建築現場の出入口で車両を整理する
- イベント会場周辺で交通整理を行う
など、人や車両の通行に危険が生じる場所において、安全を確保する業務です。
交通誘導警備について詳しくは、以下の記事でも解説していますので併せてお読みください。
交通誘導警備は、警備員のスキル(経験、知識etc)の差が明確にでます。
経験の浅い警備員だけで構成されていると、交通渋滞を引き起こしたり、最悪の場合、重大な事故を引き起こす原因にもなってしまいます。
そのため、特に危険性が高い道路では、一定以上の知識や技能を有する警備員を配置する仕組みが設けられています。
それが、今回解説する交通誘導警備業務検定合格者の配置制度ですね。

認定路線とは?公安委員会が指定する「資格者配置が必要な道路」
認定路線とは都道府県公安委員会が指定した道路のこと
認定路線を簡単に説明すると、
交通誘導警備業務検定合格者を配置する必要がある道路として、都道府県公安委員会が指定した道路
のことです。
根拠となる制度は、警備業法第18条に定められています。
(特定の種別の警備業務の実施)
第十八条 警備業者は、警備業務(第二条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当するものに限る。以下この条並びに第二十三条第一項、第二項及び第四項において同じ。)のうち、その実施に専門的知識及び能力を要し、かつ、事故が発生した場合には不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める種別(以下単に「種別」という。)のものを行うときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その種別ごとに第二十三条第四項の合格証明書の交付を受けている警備員に、当該種別に係る警備業務を実施させなければならない。
警備業法第18条では、警備業者に対して、
- 道路
- その他の場所
で交通誘導警備を行う場合に、一定の資格を有する警備員を配置する義務を定めています。
つまり、警備会社が自由に判断して、「今回は資格者なしで大丈夫」と決められるものではありません。
現場の場所や道路の種類によっては、法律上、資格者配置が必要になります。
なぜ認定路線という制度があるのか?
では、なぜすべての道路ではなく、一部の道路だけ資格者配置が必要なのでしょうか。
理由は、交通事故発生時の危険性や交通量などが大きく異なるためです。
例えば、住宅街の小さな道路で行う工事と、
- 幹線道路
- 大型車両が頻繁に通行する道路
- 交通量が非常に多い道路
で行う工事では、求められる交通誘導能力は大きく異なりますよね。
特に交通量の多い道路では、誘導ミスにより重大事故につながる危険があります。
そこで公安委員会は、事故防止の観点から、一定の道路について、「ここで交通誘導警備を行う場合には、専門的な技能を持った警備員を配置してくださいね」という基準を設けています。
これが認定路線制度の概要です。

認定路線では交通誘導警備業務検定合格者の配置が必要
交通誘導警備業務検定とは?
交通誘導警備業務検定とは、交通誘導警備に必要な知識や技能を有していることを証明する国家資格制度です。
資格には、【交通誘導警備業務検定1級】と【交通誘導警備業務検定2級】があります。
交通誘導警備業務検定について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▶詳細は下記記事を合わせてお読みください。
「交通誘導警備業務検定とは?|1級・2級の違いや取得方法、配置義務を解説」
先ほど説明した認定路線で交通誘導警備を行う場合、法律上、交通誘導警備業務を行う場所ごとに、一人以上の交通誘導警備業務検定合格者を配置する義務があります。
どれだけベテランの経験豊富で有能な警備員のチームであろうと、資格がなければ法律上現場配置を行うことはできません。
認定路線など配置義務対象となる現場では、必要な資格を持った警備員を確保する必要があります。
認定路線では何人の検定合格警備員が必要?
原則として「1名以上」の配置が必要です。
認定路線で交通誘導警備を行う場合、原則として、
交通誘導警備業務検定合格警備員を1名以上配置する必要があります。
例えば、道路工事現場で交通誘導警備員を5名配置する場合、
- 警備員A(交通誘導2級)
- 警備員B
- 警備員C
- 警備員D
- 警備員E
というように、最低1名は検定合格者を配置する必要があります。
ただし、現場条件によって必要人数が変わる場合があります。
実務では配置人数より「現場条件」の確認が重要
行政書士として警備業開業相談を受ける際、よくある質問が、
「警備員を何人雇えば資格要件を満たしますか?」
というものです。
しかし、実際には人数だけでは判断することはできません。
- 道路の種類
- 工事内容
- 車線規制の有無
- 交通量
- 現場の規模
- 発注者から求められる条件
など考慮すべきことが多々あります。
例えば、同じ「道路工事」でも、
ケース①
住宅街の片側通行規制なし
↓
通常の交通誘導体制
ケース②
幹線道路で片側交互通行
↓
高度な誘導判断が必要
ケース③
大型車両の出入りが頻繁な工事
↓
より慎重な配置計画が必要
となります。
警備会社として安定して受注するためには、単に認定を取得するだけではなく、配置基準を理解した人員計画が重要になります。

1級と2級、どちらの資格者を配置すればいい?
認定路線では交通誘導警備業務2級でも対応可能
「認定路線では1級資格者が必要ですか?」という質問も非常に多くあります。
結論からいうと、通常の認定路線における配置義務では、交通誘導警備業務2級以上の検定合格警備員で対応可能です。
- 交通誘導警備業務1級
- 交通誘導警備業務2級
のどちらでも要件を満たします。
では1級資格者は必要ないのか?
ここで注意したいのは、「2級があれば十分だから1級は不要」という意味ではないということです。
警備業界での1級資格者は、より高度な現場管理能力を持つ警備員として評価されます。
特に、
- 大規模工事
- 高速道路関連工事
- 重要インフラ工事
- 大手ゼネコン案件
などでは、発注条件として1級資格者を求められる場合があります。

高速道路・自動車専用道路と認定路線の違い
認定路線について調べていると、
「高速道路も認定路線なのですか?」
という疑問を持つ方がいます。
ここは混同しやすい部分です。
高速道路や自動車専用道路は別枠で配置義務がある
警備業法上、配置義務が生じる場所として、
- 高速自動車国道
- 自動車専用道路
- 都道府県公安委員会が指定する道路
があります。
つまり、認定路線=高速道路ではありません。
整理するとこんな感じです。
| 道路 | 資格者配置 |
|---|---|
| 高速自動車国道 | 必要 |
| 自動車専用道路 | 必要 |
| 公安委員会指定道路(認定路線) | 必要 |
| 一般的な生活道路 | 原則不要 |
警備会社を開業する上で、受注見込みのある元請け企業はどのような内容の工事をしていて、どのような人員配置が必要になるのか?
しっかりと計画を立てて採用を進める必要がありますね。

交通誘導警備の認定路線を調べる方法
「この道路は認定路線なのだろうか?」
交通誘導警備の現場を受注する前に必ず確認しましょう。
認定路線に該当する場合、交通誘導警備業務を行う場所ごとに、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員を配置する必要があるためです。
認定道路の調べ方として最も確実な方法は、現場が所在する都道府県公安委員会の告示・警察本部の案内を確認することです。
インターネットで「認定路線」と検索するだけでは、古い情報が出てくる可能性もあります。
実際、大阪府では令和8年4月1日から新しい指定路線が施行されており、兵庫県や和歌山県でも令和8年4月1日施行の情報が掲載されています。
そのため、警備会社が実務で確認するときは、「いつの情報なのか」まで確認することが重要です。
認定路線を調べる基本的な手順
認定路線を確認するときの具体的な手順を解説します。
①警備を行う現場の所在地を確認する
まず確認するのは、警備業務を行う現場の所在地です。
例えば、
- 大阪市
- 高槻市
- 吹田市
- 神戸市
- 姫路市
- 京都市
など、具体的な現場の場所を確認します。
②その道路の路線名・国道番号などを確認する
次に、現場がどの道路に面しているのかを確認します。
例えば、
- 国道1号
- 国道25号
- 国道171号
- 国道176号
- 主要地方道○○線
- 一般県道○○線
などです。
道路の名称が分からない場合には、工事発注者や元請会社に確認したり、道路管理者の資料を確認したりします。
ここで重要なのは、「国道だから認定路線」「県道だから認定路線ではない」と単純に判断しないことです。
公安委員会の指定は、路線全体の場合もあれば、一定の区間に限定されている場合もあります。
③都道府県警察のホームページを確認する
道路の所在地と路線名が分かったら、現場が所在する都道府県警察のホームページを確認します。
検索するときは、
「大阪府警 交通誘導警備業務 検定合格警備員 配置 路線」
「兵庫県警 検定合格警備員 配置 路線」
のように検索すると見つけやすいですよ。
「認定路線か分からない」ときは警察に確認する
インターネットで調べても判断できない場合には、無理に自己判断しないことをおすすめします。
例えば、
- 新しく指定された道路
- 路線名が複雑な道路
- 国道から県道へ切り替わる場所
- 認定区間の境界付近
- 工事区間が複数の道路にまたがる場合
などです。
このような場合は、現場を管轄する警察署や都道府県警察本部の警備業担当部署などに確認する方法があります。
兵庫県警察も、検定合格警備員の配置が必要となる路線についての問い合わせ先として、兵庫県警察本部保安課を案内しています。

認定路線を確認するときのチェックリスト
警備会社が現場を受注したときは、次の項目を確認するとよいでしょう。
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 現場の所在地 | □ |
| 道路の路線名 | □ |
| 国道・県道などの道路種別 | □ |
| 認定路線の対象か | □ |
| 対象となる区間か | □ |
| 最新の公安委員会告示か | □ |
| 施行日を確認したか | □ |
| 1級・2級検定合格者を配置できるか | □ |
この確認を現場ごとに行う体制を作っておけば、配置義務の見落としを防ぎやすくなります。

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