「警備業法って、そもそも何を決めている法律なの?」
「警備会社を開業するには、何が必要なの?」
「交通誘導警備を始めるには2号警備の認定が必要なの?」
「警備員は警察官と同じような権限を持っているの?」
これから警備会社を開業しようと考えている方や、警備業界への参入を検討している方の中には、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
警備員が工事現場で交通誘導を行ったり、イベント会場で人の流れを整理したり、ビルや商業施設の安全を守ったりする仕事は、誰でも自由に行えるものではありません。
警備業には、「警備業法」という法律があり、警備業を営む事業者や警備員が守るべきさまざまなルールが定められています。
さらに、警備業法だけではなく、
- 警備業法施行令
- 警備業法施行規則
- 警備業の要件に関する規則
- 警備員指導教育責任者及び機械警備業務管理者に係る講習等に関する規則
- 警備員等の検定等に関する規則
など、複数の法令・規則が警備業には定められています。
これから、末永く関わっていくであろうこの法律の内容を、事業者の方はしっかりと頭に入れておかなければなりません。
しかし、この読むだけで眠くなる条文を読み解くのは大変ですよね?
読み込むのであれば条文ではなく、これらの法令を実際にどのように解釈し運用するのかについて、警察庁が通達を出している「警備業法等の解釈運用基準」を読む方が理解しやすいかもしれません。
令和6年6月27日付の警察庁通達では、警備業法第1条の目的から、警備業務の定義、認定、欠格事由、営業所、変更届、服装、書面交付、警備員指導教育責任者、検定、機械警備など、警備業法に関する幅広い事項について解釈・運用の基準が示されています。
この記事では、これから警備会社を開業する方にもわかりやすいように、警備業法とは何なのか、どのようなルールが定められているのかを、法律の専門用語をできるだけかみ砕いて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

そもそも警備業法とは?
警備業法は、警備業務の実施を適正にするためのルールを定めた法律です。
警察庁の解釈運用基準では、警備業法の目的について、
警備業務の実施に伴う違法又は不当な事態の発生を防止し、あわせて警備業務の適切な実施を促進すること
にあると説明されています。
少し難しく感じるかもしれませんが、簡単にいうと、「警備という仕事が適正に行われるようにするための法律」なんだと考えるとわかりやすいですよね。
警備業は、他人の生命や身体、財産などの安全に関わる責任の重大な仕事です。
そのため、誰でも自由に、「今日から警備会社を始めます」と営業できるわけではありません。
一定の要件を満たしたうえで、公安委員会の認定を受ける必要があります。
また、認定を受けて営業を始めた後も、
- 警備員の教育
- 警備員指導教育責任者の選任
- 警備員の服装
- 警備業務に関する契約
- 契約書面の交付
- 苦情への対応
- 標識の掲示
- 変更届
- 認定の更新
など、さまざまなルールを守らなければなりません。
つまり警備業法は、「警備会社を開業するための法律」であると同時に、「警備会社を開業した後、適正に事業を続けるための法律」でもあると言えます。だからこそ、事業主の方はしっかりと理解しておきましょう。

警備業法でいう「警備業務」とは?
ここは、警備業法を理解するうえで非常に重要なポイントです。
警備業法第2条第1項では、「警備業務」を4つの種類に分けています。
ただし、警備業務に該当するためには、単に「安全を守る仕事」をしていればよいというわけではありません。
警察庁の解釈運用基準では、警備業法第2条第1項の「他人の需要に応じて行う」とは、他人との契約に基づき、他人のために行うことをいうとされています。
つまり、基本的には、他人から依頼を受け、契約に基づいて、その人や会社のために警備を行うということが警備業務の重要な要素になります。
一方で、すべての「安全管理」や「事故防止」が警備業法上の警備業務になるわけではありません。
例えば、警察庁の解釈運用基準では、
- 運送業者が通常の運送業務の範囲内で行う事故防止
- 倉庫業者が通常の倉庫業務の範囲内で行う盗難防止
- 建設業者が通常の建設業務の範囲内で行う事故防止
- 労働安全衛生法に基づいて事業者が行う労働災害防止
- デパート等の従業員が通常必要な範囲で行う保安業務
- 飛行場における航空機の誘導
- 貸ビル業者が自己所有建物について通常必要な範囲で行う保全管理
などは、一定の場合には警備業務には該当しないとされています。
ただし、例えば建物の所有者が自分で管理する場合と、賃借人との契約に基づいて事故の発生を警戒・防止する場合では扱いが異なることがあります。
このように、「安全を守っているから警備業」という単純な判断ではなく、誰が、誰のために、どのような契約に基づき、どのような業務を行っているのかを具体的に判断する必要があります。

警備業務は1号・2号・3号・4号の4種類
警備業法第2条第1項では、警備業務を大きく4つに分類しています。
一般的には、
- 1号警備
- 2号警備
- 3号警備
- 4号警備
と呼ばれています。
それぞれの概要を見てみましょう。
| 区分 | 警備業務の概要 | 代表的な業務 |
|---|---|---|
| 1号警備 | 施設等における盗難等の事故の発生を警戒・防止する業務 | 施設警備、巡回警備、保安警備 |
| 2号警備 | 人や車両が雑踏する場所等における事故の発生を警戒・防止する業務 | 交通誘導警備、雑踏警備 |
| 3号警備 | 運搬中の現金、貴金属等の盗難等の事故の発生を警戒・防止する業務 | 貴重品運搬警備、現金輸送警備 |
| 4号警備 | 人の身体に対する危害の発生を、その身辺で警戒・防止する業務 | 身辺警護、ボディガード |
ここで重要なのは、警備業法上の1号~4号は、単なる業務名の分類ではなく、それぞれ法律上の定義があるということです。
これから自分がどのような業務をやりたいのか、しっかりと理解した上で認定を受けるようにしましょう。
1号警備とは?
1号警備は、簡単にいうと、施設などを対象として、盗難等の事故の発生を警戒・防止する業務です。
代表的なものとして、
- オフィスビル
- 商業施設
- 工場
- 学校
- マンション
- 駐車場
- その他の施設
などに警備員を配置する施設警備があります。
警察庁の解釈運用基準では、1号警備における「盗難等の事故」は、単なる盗難だけを意味するものではありません。
人の生命・身体への危険や財産への損害につながる可能性がある、市民生活の安全と平穏に関する犯罪、事故その他の危険な事態も含むと解釈されています。
つまり、1号警備は「盗難を防ぐだけの仕事」ではありません。
施設内で発生するさまざまな危険を早期に発見し、必要な対応を行うことまで含めて考えられています。
2号警備とは?
2号警備は、これから警備会社を開業する方に特に申請の多い警備業務となります。
代表的なのが、
- 交通誘導警備
- 雑踏警備
です。
交通誘導警備では、工事現場などで車両や歩行者の安全な通行を確保するため、警備員が誘導を行います。
雑踏警備では、イベントや祭りなど、多数の人が集まる場所で事故の発生を警戒・防止します。
警察庁の解釈運用基準では、2号警備についても、警備員が単に「誘導する」ことだけではなく、人や車両が雑踏する場所等における事故の発生を警戒し、防止するという警備業務として捉えられています。
2号警備会社を開業する場合には、警備業認定だけでなく、警備員指導教育責任者や警備員教育、必要に応じた検定合格警備員の配置など、業務内容に応じた準備が必要になります。
3号警備とは?
3号警備は、現金や貴重品などを運搬する際の盗難等の事故を警戒・防止する業務です。
代表的なものとして、
- 現金輸送
- 貴重品運搬
- 有価証券等の運搬
などがあります。
警察庁の解釈運用基準では、3号警備における「現金、貴金属、美術品等」には、有価証券などの貴重品だけでなく、核燃料物質等の危険物や危険な動物なども含まれるとされています。
このため、3号警備は「現金輸送だけ」と考えるのではなく、法律上の対象範囲を正しく理解することが重要です。
4号警備とは?
4号警備は、人の身体に対する危害の発生を、その人の身辺において警戒・防止する業務です。
一般的には、
身辺警護
いわゆるボディガードが代表例です。
警察庁の解釈運用基準では、「人の身体に対する危害」について、人の生命または身体に危険を及ぼすおそれがある犯罪、事故その他の危険な事態を含むと解釈されています。
1号・2号・3号・4号ごとに「別々の認定」が必要なの?
ここは、警備会社を開業する方からよくある疑問です。
結論からいうと、「1号認定」「2号認定」「3号認定」「4号認定」という4種類の認定を、それぞれ別々に取得する制度ではありません。
警備業を営むための認定を受け、そのうえで実際に取り扱う警備業務の区分に応じた体制を整えることになります。
ただし、警備業務の区分によって必要となる警備員指導教育責任者の資格区分などが異なります。
例えば、2号警備を取り扱う営業所では、2号警備業務に対応する警備員指導教育責任者を選任する必要があります。
そのため、「2号警備を始めたいから2号認定を取る」というより、
「警備業の認定を受け、2号警備を取り扱うために必要な体制を整える」
と理解するほうが正確です。
警備会社を始めるには公安委員会の「認定」が必要
警備業を営もうとする場合、公安委員会の認定を受ける必要があります。
警備業法第4条に基づく認定制度です。
ここで注意したいのが、「警備業許可」という表現です。
一般には「警備業許可」と呼ばれることもありますが、法律上は**「認定」**という制度です。
警察庁の解釈運用基準にも、
- 第3 警備業の要件
- 第4 認定
- 第5 認定手続
- 第6 標識の掲示義務等
- 第7 認定の有効期間の更新
という形で、警備業の認定制度について整理されています。
そのため、これから警備会社を始める方は、
警備業の要件を確認
↓
営業所等を準備
↓
警備員指導教育責任者を確保
↓
必要書類を準備
↓
公安委員会へ認定申請
という流れで準備を進めることになります。
詳細は下記記事にまとめていますのでお時間のある時にお読みください。
誰でも警備会社を始められるわけではない「欠格事由」
警備業法では、一定の要件を満たさない場合には警備業を営むことができないとされています。
一般にこれを「欠格事由」と呼びます。
簡単にいうと、
「この条件に該当する人は警備業を営むことができません」
というルールです。
警備業は、他人の生命、身体、財産などに関わる仕事です。
そのため、警備業を適正に行うことができる人物・法人であるかどうかを、認定申請の段階で確認する仕組みになっています。
欠格事由については、
- 一定の刑罰を受けた場合
- 暴力団関係者等に該当する場合
- 心身の状態に関する一定の要件
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない場合
など、法律上の要件を一つひとつ確認する必要があります。
また、法人の場合には、法人そのものだけでなく、役員等についても確認が必要になります。
ここは「過去に自己破産したら絶対に警備業をできない」「前科があれば絶対に無理」と単純に判断するのではなく、具体的な事情が警備業法第3条の欠格事由に該当するかを個別に確認することが重要です。

警備業の認定を受けた後も「標識」の掲示が必要
警備業の認定を受けたら、手続きはすべて終了というわけではありません。
警備業者には、認定を受けていることを示す「標識」を、法律で定められた方法により掲示・掲載する義務があります。
「標識」と聞くと、工事現場などで見かける看板をイメージする方もいるかもしれませんが、警備業法上の標識は、警備業者が公安委員会から認定を受けて適法に警備業を営んでいることを示すものです。
警備業法では、警備業者が営業所に標識を掲示することに加えて、一定の場合にはウェブサイト上に標識に記載すべき事項を掲載することが求められています。
そのため、これから警備会社を開業する方は、
「警備業の認定を取得する」
↓
「認定後に必要な標識の掲示・掲載を行う」
というところまでを、開業手続きの一連の流れとして考えておく必要があります。
そもそも「標識」とは?
警備業法上の標識は、警備業者が公安委員会から認定を受けていることを示すためのものです。
以前は、警備業者が営業所に「認定証」を掲示する制度がありました。
しかし、現在は制度が変更され、従来の認定証に代わって、警備業者自身が標識を掲示する制度となっています。
このため、現在の警備業者は、認定を受けた後、法令で定められた事項を記載した標識を適切に掲示する必要があります。
標識には何が記載される?
標識には、警備業者が適法に警備業を営んでいることを確認できるよう、一定の事項を記載します。
具体的には、警備業者の名称や認定番号など、警備業者を識別するために必要な情報が記載されます。
警備会社を利用する依頼者からすると、
「この会社は本当に公安委員会の認定を受けているのか?」
ということは非常に重要です。
そのため、標識は単なる形式的な掲示物ではなく、警備業者の適法性を確認するための情報を公開する役割も持っています。
営業所に掲示するだけではない?
警備業者は、法令に従って標識を営業所に掲示する必要があります。
さらに、警備業者のウェブサイトを利用して情報を公開している場合には、一定の要件を満たすウェブサイト上に、標識に記載すべき事項を掲載する必要があります。
これは、現在の警備業者がインターネットを利用して営業活動を行うケースが多くなっていることを踏まえた制度です。
例えば、警備会社のホームページを見た依頼者が、
「この会社は本当に警備業の認定を受けている会社なのか?」
と確認したい場合、ウェブサイト上で認定に関する情報を確認できることは、依頼者にとって安心材料になります。
特に新しく警備会社を立ち上げる場合は、会社ホームページを作成することが多いと思います。
その場合は、ホームページの作成段階から、警備業法上必要となる標識の掲載についても確認しておきましょう。
認定を取得した後も、警備業法のルールは続く
警備業の認定を取得すると、
「これで警備会社を始められる!」
と安心してしまいがちです。
しかし、警備業法では、認定取得後にもさまざまな義務が定められています。
例えば、
- 標識の掲示・掲載
- 警備員指導教育責任者の選任
- 警備員教育
- 警備員の制限
- 制服に関するルール
- 護身用具に関するルール
- 契約前後の書面交付
- 苦情への対応
- 変更届
- 認定の更新
などがあります。
つまり、警備業の認定は「ゴール」ではなく、「警備会社として営業を始めるためのスタートライン」です。
これから警備会社を開業する方は、認定申請だけでなく、認定取得後に必要となる法令上の義務まで含めて準備しておくことをおすすめします。

警備業の認定の有効期間
警備業の認定には5年間の有効期間があります。
一度認定を受ければ永久に警備業を続けられるわけではなく、認定を継続して受けるためには、5年ごとに更新手続きを行う必要があります。
また、更新申請には申請期間が定められているため、認定の有効期間が切れる直前に慌てて申請するのではなく、余裕を持って準備することが大切です。
なお、認定を受けた後に営業所の所在地や役員、警備員指導教育責任者などに変更が生じた場合には、更新とは別に、変更届等の手続きが必要になる場合があります。
つまり、警備業を継続するためには、
① 5年ごとの認定更新
② 変更があった場合の変更届等
の両方に注意する必要があります。

警備業の「名義貸し」は禁止されている
警備業法では、認定を受けた人や会社が、その認定を他人に貸して警備業を営ませることを禁止しています。
これが、いわゆる名義貸しの禁止です。
警察庁の解釈運用基準でも、警備業法第13条関係として「名義貸しの禁止」が独立した項目として整理されています。
例えば、「自分は認定を持っているから、知人に会社名義を貸して警備業をやらせよう」といったことは認められません。
警備業の認定は、その事業者自身が適正に警備業を運営することを前提とした制度だからです。
警備員にも「制限」がある
警備会社を開業したからといって、誰でも自由に警備員として配置できるわけではありません。
警備業法では、警備員についても一定の制限を設けています。
警察庁の解釈運用基準では、法第14条関係として「警備員の制限」が整理されています。
つまり、警備会社を開業する場合には、会社の認定だけではなく、実際に警備業務に従事する警備員が適法に配置できる状態かについても確認する必要があります。
警備員の「服装」にもルール有り
警備員の制服についても警備業法上のルールがあります。
警備員の服装は、警察官や自衛官などの制服と紛らわしいものであってはなりません。
警察庁の解釈運用基準では、法第16条関係として「服装」が独立して整理されています。
これから警備会社を開業する場合、
「好きなデザインの制服を作って着ればいい」
というわけではありません。
制服を決める段階から、警備業法上のルールを確認する必要がありますので要注意です。
一部の警備業務では「検定」も重要
警備業務には、一定の専門的な知識や技能が求められるものがあります。
そのため、警備業法では警備員等の検定制度が設けられています。
代表的なものとして、
- 施設警備業務
- 交通誘導警備業務
- 雑踏警備業務
- 貴重品運搬警備業務
- 核燃料物質等危険物運搬警備業務
- 空港保安警備業務
- 施設警備業務
などについて検定制度があります。
特に2号警備を行う会社では、
交通誘導警備業務検定
雑踏警備業務検定
が関係してくるケースがあります。
また、一定の警備業務については、検定合格警備員の配置が必要となる場合があります。
そのため、2号警備会社を開業する場合には、「警備業認定を取れば、どんな現場でも自由に警備員を配置できる」と考えるのではなく、現場の種類や業務内容によって、検定合格警備員の配置が必要になる場合があることを理解しておく必要があります。

警備会社と依頼者との契約にもルール有り
警備業法は、警備会社の開業だけを規制しているわけではありません。
警備会社と依頼者との契約についてもルールがあります。
警察庁の解釈運用基準では、法第19条関係として「書面の交付」が定められています。
警備業務を依頼する側と警備会社との間で、
- どのような警備業務を行うのか
- どこで警備を行うのか
- どのような条件で警備を行うのか
などを明確にしておくことが重要です。
契約内容を曖昧にしたまま業務を開始すると、
「ここまでやってもらえると思っていた」
「そこまでの業務は契約に入っていない」
といったトラブルにつながる可能性があります。
警備業者は、警備業法に基づいて、必要な事項を適切に説明・書面化する必要があります。

警備員指導教育責任者とは?
警備会社を開業する際に、非常に重要なのが警備員指導教育責任者です。
警備員指導教育責任者とは、簡単にいうと、警備員に対する指導や教育を行う責任者です。
警備業法第22条に基づく制度で、警備業者は営業所ごとに、取り扱う警備業務の区分に応じた警備員指導教育責任者を選任する必要があります。
例えば、2号警備を取り扱う営業所であれば、2号警備業務に対応する警備員指導教育責任者を選任することになります。
そのため、これから警備会社を開業する場合には、「誰が警備員指導教育責任者になるのか」を早い段階で決めておくことが重要です。
代表者本人が必要な資格を取得する方法もありますし、資格を持つ人を雇用・確保して選任する方法も考えられます。
警備員指導教育責任者については、資格取得の方法や講習制度などが別途定められています。
警備員には教育が必要
警備員は、採用したからといって、すぐに現場へ配置できるわけではありません。
警備業法では、警備員に対する教育についてもルールが定められています。
警備員が適正に警備業務を行うためには、必要な知識や技能を身につける必要があります。
警備業者には、警備員に必要な教育を行い、適切な指導・監督を行うことが求められています。
そのため、警備会社を開業した後は、
警備員を採用する
↓
必要な教育を行う
↓
教育内容を適切に管理する
↓
警備業務に従事させる
という体制を整える必要があります。
警備員教育は、警備会社を経営するうえで非常に重要な業務の一つです。
2号警備では「検定合格警備員」の配置にも注意
2号警備を中心に営業する場合には、交通誘導警備業務検定や雑踏警備業務検定についても理解しておく必要があります。
特定の道路工事や高速道路など、一定の場所・業務では、法令上、検定合格警備員の配置が求められる場合があります。
そのため、2号警備会社を開業する場合には、「警備員指導教育責任者」と「検定合格警備員」は別の制度であることを理解しておきましょう。
警備員指導教育責任者は、営業所における警備員の指導・教育を担う立場です。
一方、検定合格警備員は、一定の警備業務について専門的な知識・技能を有することを証明する制度です。
この2つは似ているようで役割が異なります。

警備業は「開業後」の法令遵守も重要
ここまで読んでいただくと、「警備業認定を取るだけでも大変そう」と感じるかもしれません。
しかし、本当に重要なのは、認定を取得した後です。
警備業法では、警備業者に対して、
- 警備員の適正な配置
- 警備員教育
- 警備員指導教育責任者の選任
- 制服に関するルール
- 護身用具に関するルール
- 契約書面
- 苦情対応
- 標識
- 変更届
- 認定更新
など、さまざまな義務を課しています。
警察庁の解釈運用基準でも、認定後の標識、営業所、変更届、名義貸し、警備員の制限、服装、書面交付、苦情解決、指導教育責任者など、開業後の事業運営に関する制度が幅広く整理されています。
つまり、警備業は「認定を取ったら終わり」ではなく、「認定を取ってからが本当のスタート」と考える必要があります。

2号警備と道路使用許可・道路占用許可
2号警備を開業する方は、警備業法だけでなく、道路使用許可や道路占用許可についても知っておくとよいでしょう。
例えば、
- 道路工事
- 建築工事
- 解体工事
- 電気・ガス・水道工事
- イベント
などでは、道路上で工事や作業を行うことがあります。
この場合、警備業認定とは別に、道路使用許可や道路占用許可が関係する場合があります。
ここで注意したいのは、警備業認定を取得したから道路を自由に使用できるわけではないということです。
警備業認定は、警備業を営むための制度です。
一方、道路使用許可は道路交通法に基づく制度、道路占用許可は道路法に基づく制度です。
つまり、警備業認定と道路使用許可・道路占用許可は、それぞれ別の制度です。
2号警備会社を開業する方は、警備業法だけでなく、現場の工事やイベントに関連する法令についても理解しておくと、よりスムーズに業務を進めることができます。

警備業法に違反するとどうなる?
警備業法には、さまざまな義務や禁止事項が定められています。
これらに違反した場合、違反内容によっては、
- 指示
- 営業停止
- 認定取消し
- 刑事罰
などの対象になる可能性があります。
警察庁の解釈運用基準でも、法第46条・第47条に関する報告徴収・立入検査、法第48条に関する指示、法第49条に関する営業停止等について整理されています。
特に新規開業者の場合は、開業時の認定申請だけでなく、開業後のコンプライアンス体制まで考えておくことが大切です。

まとめ|警備業法を理解することが警備会社開業の第一歩
ここまでお読みになっていただいていれば十分に理解できたと思いますが、警備業法は単に警備会社を開業するためだけの法律ではありません。
警備業務そのものの定義から、
- 1号警備
- 2号警備
- 3号警備
- 4号警備
- 警備業の認定
- 欠格事由
- 営業所
- 標識
- 名義貸しの禁止
- 警備員の制限
- 警備員の服装
- 護身用具
- 検定
- 警備員指導教育責任者
- 警備員教育
- 契約書面
- 苦情対応
- 変更届
- 認定更新
など、警備業に関する非常に幅広いルールを定めています。
さらに、警備業法の条文だけでなく、警備業法施行令や警備業法施行規則、そして警察庁が定める「警備業法等の解釈運用基準」まで確認することで、警備業の制度をより正確に理解することができます。
これから警備会社を開業する方は、
「警備業認定を取得すれば終わり」
ではなく、
「認定取得後も警備業法を守りながら事業を運営していく」
という視点を持つことが重要です。
特に2号警備を開業する場合には、警備業認定だけでなく、警備員指導教育責任者、警備員教育、検定合格警備員、制服、契約書面など、事前に確認しておくべき事項が数多くあります。

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