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行政書士山本貴史事務所です。

警備会社を開業する為に、そして警備会社を運営していくために、必ず必要となる役割がありますよね。
そう。
「警備員指導教育責任者」です。
「指教責」や「指導教」という略称で呼ばれることもあります。
しかし、実際に警備業を始めようとすると、
「指教責って具体的に何をする人なの?」
「警備員の教育をするだけ?」
「現場の仕事はできないの?」
「教育は全部指教責本人がやらないといけないの?」
と疑問に感じる方も少なくありません。
結論からいうと、指教責は単に「警備員に研修をする人」ではありません。
警備業法上、営業所における警備員教育について重要な役割を担う責任者であり、警備員の教育を適切に実施・管理することが求められています。
警察庁の解釈運用基準でも、指教責の仕事について、自ら警備員教育を行うことだけでなく、他の者が行う教育について必要な指導や実施状況の把握を行うことも「警備員教育の実施を管理すること」に含まれるとされていますしね。
この記事では、警備業許認可に特化した行政書士の立場から、指教責の仕事内容を法律と実務の両面から分かりやすく解説します。
なお、「指教責とはそもそも何か」「資格を取得するにはどうすればいいか」といった制度全体については、以下の親記事で詳しく解説しています。
関連記事:警備員指導教育責任者とは?|資格・仕事内容・選任要件を行政書士が徹底解説

Contents
警備員指導教育責任者の仕事内容とは?
まずは指教責はどんな仕事内容なのか一言で表すと、
営業所に所属する警備員について、必要な教育・指導が適切に行われるよう管理する仕事
と言えます。
警備業法21条では、警備業者に対して警備員への教育等を行うことを求めています。
警察庁の解釈運用基準では、その背景について、警備業務には人の生命、身体、財産等を守るという性格があり、警備員には専門的な知識・技能と、状況に応じた適切な判断が求められるため、一定水準以上の教育が必要だと説明されています。
そして、営業所におけるこの教育体制を担う中心的な存在が指教責です。
指教責は「警備員を教育・指導する責任者」
指教責の仕事を理解するうえで重要なのが、「教育をする人」ではなく「教育について責任を持つ人」という認識ですね。
もちろん、原則として指教責自身が警備員に対して講義を行います。
しかし、それだけが仕事ではありません。
警察庁の解釈運用基準では、警備員教育の実施を管理することについて、
- 自ら警備員教育を実施すること
- 他の者による教育について必要な指導をすること
- 教育の実施状況を把握すること
などを含むとされています。
つまり、指教責には、「うちの営業所では、警備員に必要な教育が適切に行われているか」を管理する役割があります。
警備員指導教育責任者の具体的な仕事内容
では、実際にどのような仕事をするのでしょうか。
下記の4つが主な業務となりますので覚えておきましょう。
警備員教育の計画の作成
指教責の重要な仕事の一つが、警備員教育の計画を立てることです。
警備員には、警備業務に必要な知識や技能を身につけるための教育が必要です。
警察庁の解釈運用基準では、業務別教育については、警備員が従事する、または従事しようとする警備業務の具体的内容や、警備員本人の知識・技能の程度に応じて行うよう示されています。
そのため指教責には、「誰に、何を、どのように教育するのか」という教育体制を適切に組み立てることが求められます。
新任教育・現任教育の実施
警備員教育には、新たに警備業務に従事する警備員に対する新任教育や、すでに警備業務に従事している警備員に対する現任教育があります。
指教責は、これらの教育が法令に従って適切に行われるよう実施・管理します。
ここで覚えておきたいのは、「教育を実施したことにして書類だけ作る」というのは絶対にNGです。
皆さんご存じの通り、警備員の方は他社への移り変わりも激しい仕事です。
次の会社で教育を受けた際に、「前の会社ではこんなんなかったのにめんどくさい。」などと愚痴を吐かれてしまうとアウトです。
おそらく同業の会社から警察へ苦情の連絡が入ります。
教育の実施状況の管理
指教責の仕事は、教育を実施したら終わりではありません。
警備員が、
- 予定された教育を受けているか
- 必要な内容を履修しているか
- 業務に必要な知識・技能を身につけているか
などを確認し、教育が適切に行われるよう管理する必要があります。
警備員への必要な指導・助言
指教責の仕事は、定期的な教育だけではありません。
警備員が実際の業務を行う中で、「この場面ではどう対応すればいいのか?」「この警備方法で問題ないのか?」といった問題が出てくることがあります。
こうした場合に、警備員の知識や技能、実際の警備業務の内容などを踏まえて、適切な指導を行うことも重要な仕事です。
警察庁の解釈運用基準では、警備員に対する指導・監督について、警備対象施設の状況、警備業務の内容、警備員の性質・年齢・勤務状態、地理的・気象的・時間的条件などを総合的に考慮して、社会通念上相当な指導・監督を行う必要があるとされています。
ここからも、指教責の仕事が単なる「研修講師」ではないことが分かります。
指教責は自分ですべての教育を行う必要がある?
結論からいうと、指教責本人が、すべての教育を一人で行わなければならないわけではありません。
警察庁の解釈運用基準では、警備業者は自己の責任で教育を実施する必要がありますが、すべてを指教責だけで行うことまでは求めていません。
一定の条件を満たす者による教育を、警備員教育として扱うことも認められています。
ただし指教責には教育を管理する役割がありますので注意しましょう。
警察庁の解釈運用基準では、指教責が作成する教育計画に基づき、警備員の知識・能力の水準に照らして適切かつ効果的に実施することが要件として示されています。
したがって、
「教育内容を指教責が把握していない」
「教育計画にも関与していない」
「教育が適切に行われたか確認していない」
「最後に書類へ押印するだけ」
という状態では、指教責として教育を管理しているとは言えませんよね。

指教責は現場の警備員として働ける?
「指教責になったら現場に出られない」
これは正確ではありません。
警察庁の解釈運用基準では、指教責の「専任」について、指教責の業務だけに専従することまでは必要とされていません。
指教責の業務に支障がない範囲で、警備業務に従事することも認められています。
つまり、指教責+現場警備という働き方自体は禁止されていません。
ただし、指教責が現場警備を兼務できるからといって、「ほとんど毎日現場に出て、営業所には来ない」という状態でもよいわけではありません。
警察庁の解釈運用基準では、専任とは、その営業所に常勤して指導教育責任者の業務に従事し得る状態とされています。
ということは、現場勤務そのものが問題なのではなく、現場勤務によって指教責として必要な勤務・業務ができなくなっている状態であれば、問題であると言わざるを得ないですよね。
指教責の仕事内容を理解するうえで「専任」は避けて通れない
ここまで読んで、「じゃあ、現場にも出られるし、他の人に教育を手伝ってもらってもいいんだ」と思った方もいるかもしれません。
しかし、ここで重要になるのが「専任」です。
警察庁の解釈運用基準では、指教責の専任について、
- 営業所に常勤していること
- 指教責の業務に従事し得る状態にあること
- 他の営業所との掛け持ちではないこと
- 他の職業によって通常の営業時間に営業所へ勤務できない状態ではないこと
などが示されています。

指教責の仕事内容に関するよくある質問
Q. 指教責は現場に出られますか?
はい。
指教責の業務に支障がない範囲で、警備業務に従事することは認められています。
「指教責だから現場に出られない」という理解は正しくありません。
Q. 指教責は教育を全部自分でやる必要がありますか?
いいえ。
一定の条件の下で、他の者による教育を警備員教育の一部として扱うことができます。
ただし、指教責には教育の実施を管理する役割があり、教育計画や実施状況の把握など、必要な管理を行う必要があります。
Q. 指教責はアルバイトでもできますか?
「アルバイトだから指教責になれない」という制度ではありません。
ただし、雇用形態だけで判断することはできません。
重要なのは、指教責として専任の要件を満たす勤務実態があるかです。
Q. 指教責がいないと警備会社は営業できませんか?
営業所に所属する警備員がいる場合、原則としてその営業所に必要な指教責を選任する必要があります。

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