どーも!いつも記事をお読みいただきありがとうございます。
行政書士山本貴史事務所です。

前回は機械警備について記事をまとめさせていただきましたね。
機械繋がりということで、今回は警備業でドローンを使用する場合の手続きについて解説していきます。
例えば、太陽光発電所、工場や物流倉庫の敷地確認、建設現場の夜間警戒など。広大な敷地を警備員が歩いて確認する代わりに、ドローンを飛行させて不審者や異常がないかを確認できれば、警備のやり方も変わってきますよね。
実際に、ドローンを使用した夜間巡回や遠隔監視の実証実験が行われています。
人手不足の警備業界を救ってくれる救世主になるかもしれませんよね。
しかし、実際にドローンを警備で利用する場合、警備業法だけでなく『航空法』や『小型無人機等飛行禁止法』などの、空に関わる法律が複雑に絡んできます。
・ドローンの国家資格は必要なのか?
・飛行許可は包括申請で対応できるのか、それとも個別申請が必要なのか?
・工場や太陽光発電所の敷地内なら、許可を取らずに飛ばせるのか?
・ドローンを使った警備を始める場合、警備業法上の届出も必要なのか?
新しい取組みを始める際には、色々な疑問も出てくると思います。
しかし、ドローンを警備業で利用する場合には、『誰が』『どこで』『どのような条件』で飛行させるのか。さらに、どのような警備サービスを提供するのか。 ここを具体的に整理しないと、必要な手続きは判断できません。
知らないまま進めてしまうと、知らず知らずのうちに違法行為をしてしまっていたということにもなりかねませんので、しっかりと調査を行ってから事業を始めましょうね。
さて、この記事では、実際の導入事例も紹介しながら、ドローンを警備業に活用する場合の手続きを整理していきます。
最後までお読みになり、ドローンを使用した警備サービスに取り組んでいきましょう。
そもそもドローンによる警備に警備業法の認定は必要?
まずは警備業法との関係です。
ドローンを利用した警備ということは、飛行させるわけですから航空法が関係してくるのは当然ですよね。
では警備業法では?
この記事をお読みの方はご存じの通り、警備業を営むには公安委員会の認定が必要となります。
認知について詳細を書くと長くなりますので、詳しく知りたい方は下記の記事をお読みください。
そもそも警備業務とは何なのかについては、警備業法で定められていますので一緒に確認しましょう。
第二条 この法律において「警備業務」とは、次の各号のいずれかに該当する業務であつて、他人の需要に応じて行うものをいう。
一 事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等(以下「警備業務対象施設」という。)における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
二 人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務
三 運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
四 人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務
2 この法律において「警備業」とは、警備業務を行なう営業をいう。
3 この法律において「警備業者」とは、第四条の認定を受けて警備業を営む者をいう。
4 この法律において「警備員」とは、警備業者の使用人その他の従業者で警備業務に従事するものをいう。
5 この法律において「機械警備業務」とは、警備業務用機械装置(警備業務対象施設に設置する機器により感知した盗難等の事故の発生に関する情報を当該警備業務対象施設以外の施設に設置する機器に送信し、及び受信するための装置で内閣府令で定めるものをいう。)を使用して行う第一項第一号の警備業務をいう。
6 この法律において「機械警備業」とは、機械警備業務を行う警備業をいう。
しかし、他人の需要に応じて、盗難や事故の発生を警戒し、防止する業務をドローンで行うわけです。
機械警備業の届出も必要になる?
ドローンを使用した警備が、警備業法上の機械警備に該当するのであれば、認定とは別に『機械警備業の届出』も必要となります。
機械警備業に該当するのかについては、勘違いしている人も多いですが、ドローンを使用するという理由だけで、機械警備業務の届出が必ず必要になるわけではありません。
警備業法第2条第5項では、機械警備業務を、警備業務用機械装置を使用して行う1号警備業務(施設巡回など)として定義しています。
では警備業務用の機械装置とは何なのか?
こちらは施行規則に定められています。
(警備業務用機械装置)
第二条 法第二条第五項の内閣府令で定める装置は、電話その他送信者の音声を送信し、及び受信するための装置以外の装置とする。
結構幅広いですよね。条文だけ読むと電話や無線以外は幅広く該当しそうですが・・。
解釈運用基準も読んでみましょうか。
あ、ありましたね。
「警備業務用機械装置」とは、各種センサー、非常通報装置等を用いた機器の全体をいうが、受信機器が当該警備業務対象施設以外の施設に設置されている場合に限っているため、同一建造物の内部で完結しているような装置は警備業務用機械装置ではない。
施設外からの遠隔での監視や、外部への通報装置などがシステムとして組み込まれていると該当すると読み取れますね。
ドローンを使った警備が機械警備業務に該当するかどうかは、ドローンの有無だけではなく、機器の構成や警備業務全体の仕組みを踏まえて検討する必要がありそうです。
例えば、、、
①警備員がドローンを操縦して巡回する場合
警備員が施設内を巡回しながらドローンを操縦し、建物の裏側や敷地境界などを確認するケースです。
ドローンを補助的に使用しているというだけで、機械警備業務の届出が必ず必要になるとはいえませんね。
②ドローンの映像を遠隔地で監視する
ドローンが撮影した映像を、遠隔地の監視担当者が確認するケースです。
映像を確認するだけなのか、機器が異常を検知するのか、異常時に警備員への指令や現場対応につなげるのかによって、検討すべき内容が変わります。
警察庁の解釈運用基準では、基地局について、受信機器が単に情報のモニターのためだけの施設は含まれないとされています。
ただし、この説明だけで、ドローン映像を遠隔監視するサービスが機械警備業務に該当しないと結論づけることはできません。
機器の構成や契約内容、異常検知後の対応を含めて、業務全体を確認する必要があります。
いずれのケースについても、ドローンを使うから機械警備になるのではなく、どのような警備業務を、どのような機器の仕組みで行うのかが重要と言えます。

ドローンを警備に活用した事例
まずは、ドローン警備がどのように活用されているのかを見てみましょう。
太陽光発電所の夜間巡回
NEDOとKDDIは、太陽光発電施設の警備を想定し、遠隔操縦者1人が3か所の施設でドローン3機を夜間に同時運航する実証を行いました。
太陽光発電施設では、銅線の盗難などが問題となっています。そこで、ドローンに搭載したカメラやサーマルカメラを使い、人物などを検知する仕組みが検討されています。
また、旭テクノロジーは、茨城県内の大規模太陽光発電施設で、自動離着陸・充電装置などを組み合わせた無人警備システムの実証実験を実施しました。同社の2026年8月の公表では、約2か月間の自動巡回を行い、目視外飛行の包括許可を取得して運用したことが報告されています。
出典:旭テクノロジーの実証結果
今回の実証実験で凄いのは、従来のドローンによる夜間警備では、警備者はドローンのカメラからのリアルタイム映像を見て違和感や異常がないか常に監視する必要があったんですが、完全無人での飛行に加え、1人の遠隔操縦者が複数拠点に配備されたドローンを同時運用したということですね。
1人で複数の施設を警備できるのであれば、人手不足の解消にも役立ちます。
ただし、実証実験で飛行許可を取得していたからといって、同じ機種を購入すれば、どの施設でも同じ条件で飛行できるわけではないということは理解しておきましょう。
飛行場所、飛行方法、機体の仕様、安全管理体制などが異なれば、必要な手続きも変わります。
ここからは、実際にドローンを導入するときに何を確認すればよいのか、順番に見ていきましょう。

誰が・どこで・どんな条件で飛行させるのかを確認する
ドローンの飛行手続きを検討するときは、次の3つを整理しましょう。
① 誰が飛行させるのか
まず、操縦者と機体について確認します。
例えば、警備員が自ら操縦する場合もあれば、専門の操縦者が遠隔地から運航する場合もあります。自動航行システムを使用するケースも考えられます。技能証明の有無や機体認証の状況によって、許可・承認の要否が変わる場合もあるため、操縦者と機体の情報は事前に整理しておきましょう。
② どこで飛行させるのか
次に、飛行場所を確認します。
航空法上、主に確認したいのは次のような空域です。
- 空港等の周辺
- 地表または水面から150m以上の高さの空域
- 人口集中地区(DID)の上空
- 緊急用務空域
このほか、小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺に該当しないかなども確認する必要があります。
例えば、工場や物流倉庫の敷地内で飛行させる場合でも、その場所が一部の用途地域を除きDIDに該当していれば、原則としてDID上空の飛行許可を検討する必要があります。
工業地域ならDIDの許可は不要?
ここは勘違いしている人も多いので注意してください。2026年6月30日、国土交通省は、一定の区域を「人又は家屋の密集している地域」から除外する告示を公表しました。対象となるのは、都市計画法上の工業専用地域内の指定区域です。
つまり、工業地域にあるというだけで、DID上空の飛行規制から除外されるわけではありません。
工業専用地域についても、実際に飛行させる場所が指定区域に該当するかを確認する必要があります。
また、DIDの規制から除外される区域であっても、空港周辺や夜間飛行など、別の規制までなくなるわけではありません。
小型無人機等飛行禁止法にも注意
2026年7月14日には、小型無人機等飛行禁止法の改正が施行され、対象施設の敷地・区域と、その周囲おおむね1,000mの周辺地域における飛行規制が拡大されました。
ただし、これは法律上の対象施設に該当する場合の規制です。すべての工場や警備対象施設の周囲1,000mが飛行禁止になるわけではありません。
警備対象施設の種類や位置によっては、航空法とは別に確認が必要になるため、飛行場所を決める段階でチェックしておきましょう。
これらの施設の対象は、『国の重要施設』。
例えば、国会議事堂や外国公館、原子力発電所、自衛隊基地などですね。
③ どんな条件で飛行させるのか
最後に、飛行方法や周囲の状況を確認します。
例えば、次のような違いがあります。
- 日中に飛行するのか、夜間に飛行するのか
- 操縦者が機体を直接目視できるのか、目視外飛行を行うのか
- 第三者や第三者の物件から30m以上の距離を確保できるか
- 人や建物の上空を飛行するのか
- 自動航行で繰り返し巡回するのか
- 補助者を配置するのか、配置しないのか
同じ飛行でも、日中に操縦者が目視できる範囲で飛行する場合と、夜間に自動航行させて操縦者が直接目視しない場合とでは、必要な手続きが変わります。
「誰が・どこで・どんな条件で飛行させるのか」を整理して初めて、必要な飛行手続きが見えてくるわけです。

ドローンによる警備は包括申請?個別申請?
ドローンの飛行許可・承認申請には、飛行経路を特定せず、一定の範囲で繰り返し飛行するための申請と、飛行場所などを特定して行う申請があります。
一般に、前者は「包括申請」、後者は「個別申請」と呼ばれます。
警備会社がドローンを導入する場合、どちらを選べばよいのでしょうか。
これは、飛行場所や飛行方法によって判断します。
包括申請を検討できるケース
例えば、警備会社が警備対象施設で、一定の条件を満たす飛行を繰り返し行うケースです。
飛行経路を特定する必要がある飛行に該当せず、申請の対象範囲や安全管理体制などの要件を満たす場合は、包括申請を検討できます。
ただし、包括申請は、どのような飛行にも対応できる万能な許可ではありません。
例えば、『夜間+目視外飛行』『DID+夜間飛行』などの特定飛行の組み合わせの場合は包括申請での対応はできないので、個別申請となります。
警備の使用方法に当てはめると?
| 警備での使用方法 | 申請を考える際のポイント |
|---|---|
| 日中に、操縦者が目視できる範囲で施設を巡回する | 飛行場所や第三者との距離などを確認。包括申請が可能か検討 |
| 複数の施設で一定の条件の飛行を繰り返す | 飛行経路を特定する必要がある飛行に該当しないか確認 |
| 夜間に目視外飛行で太陽光発電所を自動巡回する | 場所や日時を特定した申請が必要になる |
| DID上空で夜間に目視外飛行を行う | 場所や日時を特定した申請が必要になる |
なお、場所を特定した申請だからといって、必ず1回の飛行につき1件の申請をしなければならないわけではありません。複数の場所をまとめて申請できる場合もあるため、飛行計画に応じて申請方法を検討します。
また、飛行許可・承認が必要な場合でも、操縦者技能証明と機体認証など、法令上の条件を満たすことで一部の申請が不要になる制度があります。該当する場合は、その要件も確認しましょう。

警備でドローンを使用する場合、国家資格は必要?
ドローンを警備業務で使用する場合、国家資格である無人航空機操縦者技能証明を取得しなければならないのでしょうか?
結論から言うと、業務でドローンを使用するという理由だけで、国家資格が一律に必要になるわけではありません。
飛行許可・承認の要否は、主に飛行する空域や飛行方法によって判断します。
一方、操縦者の技能証明や機体認証は、一定の条件を満たす飛行で許可・承認を不要とする制度などに関係します。
そのため、国家資格を持っているかどうかだけで、飛行できるかどうかが決まるわけではありません。
例えば、次のような事項を確認する必要があります。
- 操縦者は誰なのか。技能証明を保有しているのか
- 使用する機体は登録済みか。機体認証を受けているのか
- 飛行場所はどこか
- 夜間飛行や目視外飛行などを行うのか
- 第三者の立入りを管理できるか
- 飛行許可・承認が必要な場合、包括申請で対応できるのか
なお、レベル4飛行など、特別な要件が関係する飛行もあります。こうした運用を予定している場合は、一般的な警備ドローンの飛行とは分けて検討する必要があります。
まずは、国家資格の取得から考えるのではなく、実際に行いたい飛行を具体的に整理することが大切です。
航空法以外にも確認しておきたいこと
ドローン警備を導入する際には、航空法と警備業法だけでなく、運用方法に応じてほかの法令や条件も確認しましょう。
例えば、次のような事項です。
- 小型無人機等飛行禁止法:対象施設や周辺地域に該当する場合の飛行規制
- 電波法:機体や映像伝送装置などで使用する無線設備の適法性
- 施設管理者との調整:離着陸場所、飛行経路、敷地の使用条件
- プライバシーへの配慮:撮影範囲、映像の保管・共有、閲覧権限
- 安全管理:通信障害、機体故障、緊急時の着陸、第三者の立入りなどへの対応
特に、警備対象施設の敷地内であれば自由に飛行できるというわけではありません。航空法上の許可・承認とは別に、ほかの法令や施設の管理条件を確認する必要があります。
また、特定飛行を行う場合には、飛行許可・承認の取得とは別に、飛行計画の通報や飛行日誌の作成などが必要になります。

ドローン警備の導入を検討している方へ
ここまで解説してきたように、警備でドローンを使用する場合、必要な手続きは一律ではありません。
誰が飛行させるのか、どこで飛行させるのか、どのような条件で飛行させるのか。
この3点を整理したうえで、航空法上の飛行許可・承認申請や、警備業法上の届出の要否を検討することが大切です。
また、既に警備業の認定を受けている会社がドローンを導入する場合と、新たに警備事業を始める場合では、確認すべき事項も異なります。
「太陽光発電所の夜間巡回にドローンを導入したい」
「工場や倉庫の警備にドローンを活用したい」
「自動航行ドローンを使った機械警備を検討している」
このような場合は、具体的な運用計画を整理した段階で、必要な手続きを確認しておくことをおすすめします。
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たった5分でわかるドローンに適用される航空法の全体像 – 許認可の専門家|行政書士山本貴史事務所

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