どーも!いつも記事をお読みいただきありがとうございます。
行政書士山本貴史事務所です。

この記事をお読みになられたということは、デリヘル(デリバリーヘルス)を開業しようと検討されているんだと思います。
待機所や事務所など、開業をする際には考えることが多いですよね。

※令和6年における風俗営業等の現状と 風俗関係事犯等の取締り状況について(R7kouaniinkaihoukoku3.pdf)
上記の資料を見ていただいても分かるように、デリヘルに関しては直近5年間の件数の推移は安定しています。
同じ夜の業界でも、店舗型の性風俗は新規開業が実質的にできないという現状もあるので、デリヘルの需要は今後も安定して見通せるのではないでしょうか?
このデリヘルというビジネス。開業するには【無店舗型性風俗特殊営業】という風営法で定められた届出をする必要があります。
届出の方法についての詳細は下記記事をお読みください。
この記事では、デリヘルを開業する際になぜサービスを受ける場所を提供してはダメなのか?
レンタルスペースを借りたり、特定のラブホテルと提携してそこにお客さんを呼ぶのはダメなのか?
デリヘルの開業を検討している方が知っておくべき風営法の知識を分かりやすく解説しました。
5分程度で読めるように内容をぎゅぎゅぎゅっと絞ってまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

なぜデリヘルは「サービス場所」を提供してはいけないのか?
さぁまずはデリヘルの定義を確認してみましょう。
デリヘルの営業形態は風営法では「無店舗型性風俗特殊営業」としてカテゴライズされています。
そうです。
無店舗です。
店舗がないんですね。
ちなみに風営法の条文(第2条第7項第1号)では、デリヘルの定義を以下のように定めています。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(第2条第7項第1号)
「人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの」
ここで重要なのは「客の依頼を受けて派遣する」という一文ですね。
デリヘルは、「お客さんが自ら手配・用意した場所(自宅やホテルなど)」に対して、依頼を受けて女の子を派遣するからこそ「無店舗型」として成立します。お店側が場所を用意したり指定したりした時点で、それは自らサービス場所を設ける「店舗型性風俗特殊営業(店舗型ヘルスなど)」に該当します。
無店舗型の届出しか出していないのに実質的に店舗型としての営業を行えば、「無許可営業」という非常に重い罪に問われます。
※近年問題になっている性的なサービスがあるメンエスも店舗型性風俗に該当します。

レンタルスペースに女の子を待機させ、客を呼ぶのはアリ?
【完全な違法行為】
マンションの一室やワンルームのレンタルスペースを借り、そこに女の子を待機させてお客さんを向かわせる手法は「マンションヘルス(店舗型)」と全く同じです。
警察庁が公表している「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」には、以下のように明記されています。
解釈運用基準(抜粋) 「営業者が実質的に役務を提供する場所を設けていると認められる場合は、無店舗型性風俗特殊営業ではなく、店舗型性風俗特殊営業に該当する」
お店側が契約したレンタルスペースでサービスを行わせた時点で、「営業者が場所を設けている」と完全に認定されます。これはグレーゾーンではなく真っ黒な違法行為となりますね。
ラブホテルと提携し、指定ホテルでキックバックをもらうのは?
違法とみなされる可能性が極めて高い。
「場所はホテルだから店舗ではないし、ホテル側から紹介料をもらうだけならバレないのでは?」と考える方が多いですが、これも非常に危険です。
前述の通り、デリヘルのルールは「お客さんが場所を指定する」ことです。 お店側が「提携している〇〇ホテルに行ってください」とお客さんを誘導した場合、実質的にお店側が場所を指定・提供している(=店舗型営業である)と警察に判断される可能性があります。
お客さんに複数のホテルを提案して「この辺にホテルがまとまってありますよー」と選ばせる(結果としてお客さんが指定する)のであればまだ適法ですが、特定のホテルに誘導してキックバックを得るスキームはアウトになる可能性が高いです。
以下のような事実関係があると「実質的に営業者が場所を設けている(=店舗型である)」と判断される可能性が高いことは覚えておきましょう。
お客さんに対して特定のホテルを利用するように誘導・指定している。
お店側がホテルと恒常的な提携関係にあり、キックバックを受け取っている。
お店側が事前にお客さんの代わりに部屋を予約・確保している。
ラブホの一室を待機所にし、同じホテル内の客室へ派遣するのは?
店舗型とみなされるリスク有り。
「じゃあ、ラブホテルの1室を正規の『待機所』として警察に届け出て、お客さんには同じホテルの別の部屋を取ってもらって、そこへ派遣するのはどう?」という抜け道を考える方もいます。
確かに、デリヘルの待機所をラブホテルに置くこと自体は、適切な届出を行えば問題ないでしょう。しかし、「待機所と同じホテル内でのみサービスを完結させる」という運用を恒常的に行った場合、さすがに警察の目は誤魔化せません。
【実際の逮捕事例】デリヘル店長とホテル代表が共に逮捕された事件
「うちはホテル側と上手くやっているから大丈夫」と考えている方は、2016年に福島県で実際に起きた摘発事例を知っておくべきです。
この事件では、無店舗型(デリヘル)の届出を出していた店舗が、同じビルにあるビジネスホテルと提携し、そこへ客を呼んでサービスを提供していました。 警察はこれを「デリヘルではなく、実質的な店舗型ヘルスである」と認定。結果として、デリヘルの店長だけでなく、場所を提供していたホテルの代表も「共同で店舗型風俗を営業していた(共謀共同正犯)」として逮捕されました。
詳しくは、風俗業界で有名なグラディアトル法律事務所の記事をお読みください。
風営法違反逮捕事例|無店舗型なのに店舗型と評価された禁止地域営業の事例 – キャバクラ・ホスト・風俗業界の顧問弁護士

デリヘル経営に風営法の知識は必須
デリヘル(無店舗型)を開業する上で、「場所の提供・指定」は絶対に越えてはいけない一線です。
少しの利益や効率を求めてこれらの違法行為に手を染めると、営業停止どころか経営者の逮捕・前科につながります。デリヘルを長く安全に経営するためには、「お客さんが指定した場所に女の子を派遣する」という大原則を必ず守りましょう。
法令遵守で不安な点がある場合や、合法的な『事務所・待機所』の物件選び・届出については、お気軽にご相談ください。

