【雀荘と風営法】風俗営業4号許可を最速で取得する完全ガイド

雀荘と風営法

どーも。徹マンのし過ぎではげたと噂されているスキンヘッドの行政書士です。
ちなみに麻雀は数える程度しかしたことがありません。。

最近はプロ麻雀リーグもSNSなどでよく目にするようになりましたよね。

さて、今回はお待ちかねの『麻雀店(雀荘)の営業許可』、いわゆる風営法の4号許可について解説していきます。

麻雀やぱちんこなどの、設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業方法は、『遊技場営業』と呼ばれ、風営法の規制対象となります。

皆さんお世話になったであろう、警察への許可申請ですね。

この麻雀店の営業許可申請は、消防や役所、警察署との調整や『平面図・求積図・照明音響設備』といった測量による図面作成もあり、用途地域の制限もあり、保全対象施設との距離や構造設備の要件もあるというかなり難易度の高い行政手続きです。

また、風営法による規制で『遊戯料金』も定められています。

 

ぶっちゃけ行政書士の中でも手を出さない方は一切手を出さない業務の一つですね。
難易度の高さもあるんですが、警察の手続きはクセが強いというか他の行政機関と違った色があるからでしょうかね。

さて、本記事では、「雀荘の営業許可」と呼ばれるこの許可申請をスムーズに進めるために、「風営法による雀荘への規制の全体像」や「許可を取得する為に満たすべき要件」「用意すべき必要書類」について、行政書士の立場からわかりやすく解説します。

5分程度で読めるよう、要点をギュッと絞って解説しますので最後までお読みください。


負けられない戦い

風営法による雀荘への規制の全体像

 

さて、まずは麻雀と風営法について一緒にお勉強しましょう。
ご存じの通り「麻雀」は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規制対象となっていて、開業・運営には厳格なルールが適用されています。

その為、雀荘の営業を開始するには、風営法に定められた要件を満たして書類を作成し、管轄の都道府県の公安委員会から『風俗営業許可の4号営業』を取得しなければなりません。

 

風俗営業許可と言われるとピンクなお店の営業許可だとイメージする人も多いですが、世間一般のイメージとは異なり、雀荘は風営法上の「風俗営業」に分類されます。

該当する区分風俗営業(第4号営業)
定義「まあじゃん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」
理由麻雀は、遊技の結果(勝敗)が金銭のやり取り(賭け)に繋がりやすい性質を持つため、風営法では「射幸心をそそるおそれのある遊技」を提供するものとして規制対象になっています。これは、青少年保護や健全な社会環境の保持を目的としています。
必要な許可開業前に、営業所を管轄する都道府県の公安委員会から「風俗営業許可(4号営業)」を取得する必要があります。

 

麻雀店が風営法で規制されるのは、上記のように「射幸心をあおるおそれのある遊技を提供する営業」とみなされるためです。

 

『射幸心』

 

聞き馴染みのない言葉ですよね。
明確な規定があるかというとないあやふやな表現なんですよね。

風営法第二条第一項第四号の「射幸心」とは、偶然に財産的利益を得ようとする欲心をいう。

上記は国会の答弁書ででてきた射幸心についての行政の解釈です。

 

・・・わかりにくいっすねぇ。

辞書を見てみると、「射幸心」とは、「偶然の利益を労せずに得ようとする欲心」や、「まぐれ当たりによる利益を願う気持ち」を指すとのことです。

わかりやすく言えば、人間の心にぐっと刺さる「大儲けしたい」とか「簡単に成功したい」といった、ギャンブル的な要素や、それに繋がる可能性のある気持ちを煽ることを指します。

 

好きなこと(麻雀)をしててお金が稼げれば最高ですもんね?

 

日本に賭博罪が無ければ、麻雀に勝てば大金を得ることができ、負ければ大金を失うといったシステムも成立してしまいます。

そうなるとどうでしょう?
一攫千金を狙って麻雀に昼間から勤しんで働かず借金まみれ。。。そんな人が急増しますよね。

全国民がカイジ化していくわけですね。

そうなると、麻雀にのめりこみ家を失ってホームレスの増加や、借金による強盗などの治安の悪化にもつながります。

 

そんな世界は、風営法の目的である、善良な風俗環境の保持と青少年の健全育成とはかけ離れてしまいますよね。

そういった理由で、風営法では、客の「射幸心」を過度に刺激しないように、遊技料金の上限、営業時間、店舗の構造、照明の明るさなどに制限を設けています。

 

立地や構造についての規制は後述しますので、ここでは営業の方法についての制限を簡単にまとめますね。

 

□深夜営業の禁止:原則として、午前0時(または午前1時)から午前6時までは営業できない。(詳細は都道府県の条例による)

□年少者(18歳未満)の立ち入り禁止。

□ 賭博類似行為の禁止:客にレートの説明をする、射幸心を煽るルール(金、花など)を採用する、店員が代打ちをするなど、賭博行為を助長する行為は禁止。

□賞品提供の禁止:遊技の結果(勝敗)に応じて、客に景品(現金や物品)を提供することは一切禁止。

□名義貸しの禁止

遊戯料金の上限

■客一人当たりの時間を基礎として遊技料金を計算する場合

①全自動式の麻雀台 一時間につき600円
②その他の麻雀台 一時間につき500円

■麻雀台一台につき時間を基礎として遊技料金を計算する場合

①全自動式の麻雀台 一時間につき2,400円
②その他の麻雀台 一時間につき2,000円

 

上記のような雀荘特有の規制がありますので、これから開業される方は注意しましょう。

では、次は雀荘の営業許可(風営法4号許可)を取得する為に、満たさなければならない3つの要件についてご説明しますね。


 

行政書士が教える

雀荘の営業許可(風営法4号営業)を取得する為の3つの要件

人の要件

まずは、お店を開業しようとしている申請人となるあなた自身(法人の場合は役員)と管理者に関する要件です。

下記に該当する場合は、風俗営業許可は取得できません。

・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

・1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

・集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者

・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

・心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者

・風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

・営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

 

大丈夫ですか?

該当していませんか?

該当していなければ『人の要件』はクリアです。
お待ちかねの物件探しを始めましょう。

②店舗の場所の要件

雀荘はどこでも出店できるわけではありません。

では具体的にどのような場所を選択すればいいのでしょうか?

 

出店場所を探すときに確認するべきなのは、『用途地域』『保全対象施設との距離』です。

『用途地域』

客商売は立地が命!!とよく言われますが、これは何も集客面だけの話ではありません。

あなたが雀荘を開業したいのであれば、用途地域も出店の段階で確認しておく必要があります。

というのも住居系の用途地域では、雀荘の営業許可は取得できません。
根拠法は各都道府県の風営法条例。
例えば、弊所のメインエリアの大阪府では下記の様に定められています。

 

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例

(風俗営業の許可に係る制限地域)

第二条 法第四条第二項第二号の条例で定める地域は、次に掲げる地域とする。

 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号に規定する第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域。ただし、第一種住居地域、第二種住居地域及び準住居地域のうち公安委員会規則で定める地域を除く。

 

分かりやすく言うと、用途地域が住居とついてればほぼダメです。

□近隣商業地域 □商業地域 □準工業地域 □工業地域

出店の際は上記の用途地域に絞って物件を探してくださいね。
用途地域は不動産屋さんに聞けば教えてくれますが、ご自身でも調べることが可能です。

大阪市であれば、マップナビおおさか | トップ

各市区町村役場でも教えてくれますし、ネット上で検索できる市区町村も増えてきましたので一度検索してみましょう。

『保全対象施設との距離』

聞きなれない言葉だと思いますが、保全対象施設とは、風俗営業から有害な影響を受けないよう一定の規制距離による保護を受ける施設のことです。

学校の近くだと青少年の育成に悪いとかいうあれですね。

こちらも都道府県条例に定められていて、大阪府は下記の様になります。

(風俗営業の許可に係る制限地域)

第二条 法第四条第二項第二号の条例で定める地域は、次に掲げる地域とする。

学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校若しくは同法第百三十四条第一項に規定する各種学校のうち主として外国人の幼児、児童、生徒等に対して教育を行うもの、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する保育所又は医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定する病院若しくは同条第二項に規定する診療所(患者を入院させるための施設を有するものに限る。以下同じ。)の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲おおむね百メートル(当該施設の敷地が都市計画法第八条第一項第一号に規定する商業地域にある場合にあっては、当該施設の敷地の周囲おおむね五十メートル)の区域。ただし、公安委員会規則で定める区域を除く。

 

読みにくいので簡単に要約すると、まず、保全対象施設の敷地から許可を取得しようとしている店舗まで100m以上離れていなければなりません。
※用途地域が、商業地域の場合は50m

そして、大阪府を例に挙げると下記のような施設が保全対象施設に該当します。

【大阪府における保全対象施設】

  • 学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)
  • 幼保連携型認定こども園
  • 利用定員が20人以上の保育所
  • 入院施設のある病院・診療所

 

上記の保全対象施設の調査は風俗営業において本当に重要な事項です。

近くに、風俗営業許可を取得している店舗があっても安心は全くできません。

その店舗が許可を取得したときには近くに保全対象施設がなくても、今現在は調べなければわかりませんからね。
勿論、警察に聞いても教えてはくれませんので、グーグルマップやゼンリン地図を片手に地道に歩いて調査をしましょう。

③構造要件

場所が決まれば、次はお店の構造です。

不動産屋さんが「居抜きだから大丈夫だよー」と言っても100%の信頼はいけません。
居抜きであっても前の店が無許可で雀荘をしていたケースもありますし、経営者の趣味に合わせて現場調査の後に改装している可能性もあります。

必ず経営者であるあなたご自身が最後は確認してください。

 

下記の7つのポイントを押さえておきましょう。

1 客室の内部に見通しを妨げる設備等を設けないこと。
見通しを妨げる設備等は、仕切りやついたて、カーテン、背の高い椅子、カウンターや腰壁の高さが1メートル以上のものですね。
2 善良の風俗等を害するおそれのある写真、広告物、装飾等の設備を設けないこと。
エロいポスターや写真なんかはダメですね。
3 客室の出入に施錠の設備を設けないこと。
営業所外に通じる出入口は施錠設備設けて大丈夫です。
4 営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
5 騒音又は振動の数値が、条例で定める数値に満たないように維持されるために必要な構造又は設備
  を有すること。

 

いかがでしょうか?

 

『人・場所・構造』

 

この3つを満たして初めて許可を取得することができます。
確認し過ぎるくらい確認しましょうね。

必要書類

雀荘の営業許可|必要書類

①風俗営業許可申請書&営業の方法
各都道府県の警察署ウェブサイトよりダウンロードしましょう。

②個人:住民票(本籍地入り) 法人:定款と履歴事項全部証明書と役員全員の住民票(本籍地入り)

③身分証明書
本籍地の市町村役場で取得できます。

④違法建築物でない旨の疎明書類
建築計画概要書又は建築確認台帳記載事項証明書等。各市町村役場の建築指導課で取得可能です。

⑤用途地域を証明する書類
大阪市であれば、マップナビおおさか | トップ

各市区町村役場でも取得可能です。

⑥営業所平面図・客室求積図・客席配置図・電気音響設備
手書きでも大丈夫ですが、しっかりと測量して図面を作成する能力が求められます。

⑦賃貸借契約書・使用承諾書

⑧周辺地図
google mapで十分です。

⑨メニュー
まだできていないければ手書きの簡易で大丈夫です。

⑩飲食店営業許可証

⑪管理者の証明写真(2枚)

 

上記が必要書類となります。
慣れていないと集めるだけでも1~2カ月かかってしまいますので、オープン日から逆算して調整するようにしましょう。

女性警察官

雀荘と法律|違反の罰則は?

最後に、雀荘を経営するにあたって、あなたが知っておくべき違法行為と罰則について説明します。
ほぼ一発レッドカードですので本当に注意しましょうね。

無許可営業

5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、もしくは両方

名義貸し

5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、もしくは両方

客引き行為

6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくは両方

18歳未満の入店

1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくは両方

賭博罪

賭博をしたものは50万円以下の罰金

常習賭博罪

3年以下の懲役

賭博場開張図利罪

3カ月以上5年以下の懲役刑

 

【時間がない】【不安】【プロに任せたい】【めんどくさい】

 

 

 

上記のような場合は、ぜひ弊所にご相談ください。
アドバイスから手続きの代行まで、トータルで全力サポートさせていただきます。

 

 

 

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それでは最後によくあるご質問をまとめさせていただきます。

 

よくある質問

雀荘(4号営業)の営業許可に関するQ&A

Q.軽食の提供を考えていますが何か規制はあるのでしょうか?

A.管轄の保健所にて、飲食店営業許可を取得する必要があります。
弊所で代行もしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

Q.女の子のスタッフを揃えて、キャバクラと雀荘の融合という新しい業態にチャレンジしたいんです。

A.存在はしています。1号営業と4号営業を両方取得する必要がありますね。大阪は風俗営業の複数許可に対してなんとか認めてくれているところもありますが、他の都道府県は厳しいかもしれません。

Q.麻雀台が何台から風俗営業許可が必要になりますか?

A.4号営業は台数は関係ありません。1台でも麻雀台を置いて遊戯料金を得るのであれば4号許可が必要です。

Q.サービスの一つとしてお酒も提供しようと思っていますが規制はありますか?

A.雀荘で飲酒を規制する法律はありません。

Q.雀荘ではなく麻雀教室や健康麻雀カフェを作ろうと思いますが許可は必要ですか?

A.名称は関係ありません。営業の実態として「設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」にあたるかどうかがポイントです。

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