『玄関帳場って?』
これから旅館や民泊を開業しようとしているあなた。
全く聞いたことのない言葉が並び混乱していることでしょう。
旅館業では当たり前でも、普段聞くこともない複雑な言葉の一つが『玄関帳場』です。
これ、まず読み方がわかりにくいですよね。
漢字だけ見てると、賭け事の賭場にも見えてくるし。
読み方は『げんかんちょうば』と言います。
帳場は簡単に言うとお客さんがお支払いをするところ。
現代風に言うとホテルのチェックインやチェックアウトをするフロントですね。
この記事では、旅館業における『玄関帳場』の役割、必要なのか不要なのか?について初心者にもわかりやすいようにご説明させていただいています。
旅館業を成功させるためにも必要な知識となりますので、最後までよく目を通していただければと思います。
玄関帳場の役割
玄関帳場を設置する意味は何でしょう?
昔から存在しているからには意味があるはずですよね。
勿論あります。
『旅館業における衛生管理要領』にこのように記載されています。
「玄関帳場」又は「フロント」とは、旅館又はホテルの玄関に付設された会計帳簿等を記載する等のための設備をいう。
善良風俗の保持上、宿泊しようとする者との面接に適し、次の(1)から(4)までの要件を満たす構造設備の玄関帳場又はフロントを有すること。ただし、(5)の要件を満たす場合は、玄関帳場又はフロントに代替する機能を有する設備を備えているものとして、玄関帳場又はフロントを設置しないことができること。
(1) 玄関帳場又はフロントは、玄関から容易に見えるよう宿泊者が通過する場所に位置し、囲い等により宿泊者の出入りを容易に見ることが できない構造設備でないこと。
(2) 玄関帳場又はフロントは、事務をとるのに適した広さを有し、相対する宿泊者と従事者が直接面接できる構造であること。
(3) 旅館・ホテル営業においては、玄関帳場に類する設備として従業者が常時待機し、来客の都度、玄関に出て客に応対する構造の部屋を玄関に付設することができること。
(4) モーテル等特定の用途を有する施設においては、玄関帳場又はフロントとして、施設への入口、又は宿泊しようとする者が当該施設を利用しようとするときに必ず通過する通路に面して、その者との面接に 適する規模と構造を有する設備(例えば管理棟)を設けることができること。
(5) 次の全ての要件を満たし、宿泊者の安全や利便性の確保ができていること。
①事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。緊急時に対応できる体制については、宿泊者の緊急を要する状況に対し、その求めに応じて、通常おおむね10分程度で職員等が駆けつけることができる体制を想定しているものであること。
② 営業者自らが設置したビデオカメラ等により、宿泊者の本人確認や出入りの状況の確認を常時鮮明な画像により実施すること。
③鍵の受渡しを適切に行うこと。
上記から読み取れることは大きく分けると4つ。
①会計帳簿等を記載するための設備
②迅速な対応
③人の出入りの確認
④鍵の受け渡し
こんなものどこから読み取ったんだい?と思うかもしれませんので説明します。
まず①は「玄関帳場」又は「フロント」とは、旅館又はホテルの玄関に付設された会計帳簿等を記載する等のための設備をいう。と書いてますのでそのままですよね。
そして②~④に関しては、(5)の要件を満たす場合は、玄関帳場又はフロントに代替する機能を有する設備を備えているものとして、玄関帳場又はフロントを設置しないことができること。と記載されていますので、(5)の要件が揃っていれば玄関帳場は必要ない⇒ということは(5)の要件が玄関帳場に求められている機能だということですね。
玄関帳場は必要か不要か?
玄関帳場は簡易宿所営業(民泊)においては法律で設置しなければならないとは定められていません。
『玄関帳場を設置することが望ましい。』
となっています。
設置しない場合は、玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設置して、緊急時に10分程度で職員等が駆けつけることができる体制にしておいてねと。
自宅で民泊を始める場合など、スペース的に無理だろ・・・。ていうのが多かったから改正されたのでしょうか。
許可を取る側からするとありがたいですね。
ただし、旅館・ホテル営業など、条例によって上乗せで要件を厳しくしている場合もありますので、許可を取得したい都道府県の手引きはしっかりと確認しておきましょう。
下記は京都の場合です。
詳しくは下記記事にてまとめています。
京都市の簡易宿所営業|800mの壁
まとめ
いかがでしょうか?
玄関帳場について理解できましたか?
この記事では、旅館業とは切っても切り離せない『玄関帳場』について解説させていただきました。
このサイトでは旅館業に関連する情報を初心者の方にもご理解いただけるようわかりやすく解説させていただいています。
京都や大阪などの関西で旅館業許可を取得したい方はお気軽にお問い合わせください。
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