どーも!いつも記事をお読みいただきありがとうございます。
行政書士山本貴史事務所です。

弊所は全国で軽貨物自動車運送事業(黒ナンバー)の届出手続きのお手伝いをさせていただいています。
届出や許認可についてお悩みがありましたらお気軽にお問い合わせくださいね。
感染症の流行により、Amazon FlexやUber Eatsといったいわゆるギグワーク。黒ナンバー(事業用ナンバー)の需要が一気に高まりましたよね。届出の手続きとしてはすごく難しいといったものでもなく、時間がある方であればご自身で手続きをする方も多いのではないでしょうか?
『一人で簡単に始めることができる』
『軽バン一台で可能』
お手軽に始めることができる一方で、急激な事業者数の増加に伴い事故やトラブルが増加したことも事実です。そんな状況をなんとかせねば・・・とお上が重い腰をあげて規制強化に乗り出したわけですね。2024年から段階的に進められてきた「貨物軽自動車運送事業」への規制強化が、2026年、いよいよ本格的な運用フェーズに入っています。
「ただ届出を出せばいい」という時代は終わり、生き残っていくには制度を熟知しておくことが必要となります。あなたを守れるのはあなた自身しかいませんのでしっかりと学んでおきましょう。
この記事では、専門の行政書士が『軽貨物(黒ナンバー)制度の概要』『規制強化の内容』『事業を開始する為の手順』『必要書類』『申請書の記入例』について、要点をぎゅぎゅぎゅっと絞って解説いたします。
最後までお読みになり、軽貨物運送事業の開業準備を進めてください。

軽貨物(黒ナンバー)とは?|制度の概要
「黒ナンバーにする」ということは、単に車のプレートの色を変えることではありません。
他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送する事業を総じて貨物自動車運送事業と言いますが、そのなかで貨物軽自動車運送事業者とは「軽自動車を使用して、荷主の荷物を運送する事業」を言います。
有償で他人の荷物を運ぶ
ということは、もちろん無料で運んだり、自社の製品を運ぶ分には貨物自動車運送事業者にはあたりませんよね。
ちなみに、どんな事業が貨物自動車運送事業にあたるのかも法律に定められています。
運送事業者必見の『貨物自動車運送事業法』の2条ですね。
第二条 この法律において「貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。
『一般貨物自動車運送事業』や『特定貨物自動車運送事業』というのは、いわゆる緑ナンバーです。
ハイエースなどの小型の貨物車~大型のトラックなどで他人の荷物をお金を貰って運ぶ事業ですね。これらは、国土交通大臣に許可申請をして施設や車両、資金要件などを満たしているとのお墨付きがあって事業を開始することができます。
許可を取得するのに、半年~1年間程度と非常に労力もかかる事業となりますね。
ちなみに、引越し業や霊柩車なども『一般貨物自動車運送事業』に該当します。
そして、この記事をお読みになっている方が知りたい『貨物軽自動車運送事業』。通称:黒ナンバーですね。
先ほども説明したように、軽自動車を使用して、荷主の荷物を運送する事業が『貨物軽自動車運送事業』に該当します。
『一般貨物』『特定貨物』のような『許可制』ではなく『届出制』となっています。

許可と届出の違い
運送業を例に説明すると、一般貨物(許可)と軽貨物(届出)の書類の提出窓口は同じ運輸支局の輸送課です。
その点だけを見れば同じですよね。しかし、ここからは手続きの流れが違います。
許可という制度をややこしく説明すると、通常禁止されている行為を一定の要件の元に解除しますよ!という制度になります。その一定の要件を満たしているか(運送業であれば、車両の台数や資金・施設など)を行政機関が審査します。
審査した結果、要件を満たすことができなければ不許可。要件を満たすことができていれば許可となり、その後に事業を開始。
審査する時間が必要となりますので、審査機関で数カ月の時間を要しますし、要件を満たしていることを証明する為の疎明書類を用意する必要があるので、書類も膨大です。
一方、届出は法令で定められている特定の行為について、一定の事項を予め行政官庁へ通知するといった制度になります。
許可の様に審査がなく、行政の許可や不許可の判断がありませんので、様式に則って書類を不備なく揃えていれば提出すれば手続きは完了です。
比較的届出書の記載内容や添付書類も少なく、時間さえあれば、慣れていなくともご自身で手続きをすることも可能です。
規制強化の内容について
この記事を書いた2026年現在は「規制強化の真っ只中」です。なぜ、これほどまでに厳しくなっているのでしょうか?それは、「形だけの届出で、安全を疎かにする事業者」を排除するためです。
では、どのような内容なのか?
貨物軽自動車運送事業の安全対策強化(2024年〜2026年施行)
2024年の法改正により、軽貨物事業者には従来の「届出だけ」の状態から一歩踏み込んだ、一般貨物並みの安全管理義務が課されることになりました。主なポイントは以下の5点です。
「貨物軽自動車安全管理者」の選任と講習受講
営業所ごとに安全管理者の選任が義務付けられます。
選任時および2年ごとの講習受講が必要で、既存事業者は2026年5月までに選任を完了させなければなりません。
業務記録(運転日報)の作成・保存(1年間)
毎日の乗務開始・終了日時、走行距離、休憩地点などの詳細な記録と保存が義務化されました(2025年4月より完全施行)。
事故記録の保存と重大事故の報告義務
軽微な事故も内容や原因を記録し、3年間保存する必要があります。
死傷者が発生した重大事故については、運輸支局を通じて国土交通大臣への報告が法的義務となりました。
特定の運転者への指導監督・適性診断
「新たに雇い入れた者」「65歳以上の高齢者」「事故を引き起こした者」に対し、特別な指導と適性診断の受診が義務付けられます。
既存事業者の適性診断については2027年5月までの猶予期間が設けられています。
運転者台帳の作成・備え置き
運転者の氏名、指導内容、適性診断の受診状況などを記載した「貨物軽自動車運転者台帳」を営業所に備え置く必要があります。
現在、運輸支局は届出内容と実態が合っているかを厳しくチェックしています。「とりあえず車庫を自宅にしているが、実際は別の場所に停めている」といった、かつて通用した「なぁなぁ」の運用は、今の時代、通用しません。

黒ナンバーは「簡単」だけど「適当」ではダメな時代へ
ここまでで、
- 軽貨物(黒ナンバー)とは何か
- 許可制と届出制の違い
- 規制強化の内容
について理解していただけたかと思います。
「届出だけで始められる」
という点だけを見ると、軽貨物運送事業は非常に参入しやすい業種です。
しかし現在は、
など、運送事業者として求められる責任が急速に強化されています。
つまり、、
とりあえず黒ナンバーを取って始める
という時代ではなく、
事業者として制度を理解した上で始める
ことが重要な時代になったということですね。
それでは次に、実際に黒ナンバーを取得する流れについて見ていきましょう。

軽貨物(黒ナンバー)取得までの流れ
黒ナンバー取得の流れは、大きく分けると以下のようになります。
①使用する車両を準備する
②営業所・休憩施設を用意する
③運輸支局へ「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出
④届出受理後に黒ナンバー取得
⑤業務開始
こう見ると、手続きの流れ自体はそこまで難しくありませんよね。
ただし、慣れていないと途中で記入ミスなどで引っ掛かってしまい、書類作成が止まってしまうことも非常に多くなっています。
特に最近は運輸支局側の確認も以前より厳しくなっていますので、適当に進めると二度手間になりがちです。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

①軽貨物で使用する車両を準備する
まずは事業で使用する軽自動車を準備します。
使用できる車両
基本的には以下のような軽貨物車両ですね。
・軽バン・軽トラック・幌付き軽トラック
具体的に車種を上げると、、
▢エブリイ▢ハイゼットカーゴ▢N-VAN▢アトレー▢クリッパー▢サンバー
などが有名ですね。中古で始める方も非常に多いです。
乗用の軽自動車は使えるのか?
結構勘違いされやすいポイントです。
結論から言うと使用できます。
以前までは、黒ナンバーとして使用できる車両は、基本的に「軽貨物車(4ナンバー)」に限られていましたが、2022年10月の規制緩和により、現在は軽乗用車(5ナンバー)でも貨物軽自動車運送事業に使用できるようになっています。
つまり、
- アルト
- ワゴンR
- N-BOX
- タント
などの一般的な軽乗用車でも、黒ナンバー取得が可能になったということですね。
「じゃあ軽乗用車なら自由に運べるのか?」というと、そういうわけではありません。
国土交通省は、安全面への配慮から一定の条件を設けています。
まぁ過積載などは危ないですしね。
軽乗用車の場合は下記の範囲内でしか荷物を積載できません。
「乗車定員 - 実際に乗る人数 × 55kg」
例えば、
- 定員4人
- 実際の乗車人数1人
であれば、「(4-1)×55kg=165kg」までが目安となります。
車はリースでもOK?
特に問題ありません。
しかし、ローン中の車やリース車の場合は使用権限があることが必要となりますので要注意です。
あなたの車の車検証(自動車検査証記録事項)の所有者の欄を見てください。
あなたの名前になっていますか?
あなたの名前になっていないのであれば、所有者であるリース会社やローン会社に問い合わせをする必要があります。
『ワイの車やのになんでいちいち聞かなあかんねん!』
そう思われるかもしれませんが、ルールですのでしょうがないと割り切りましょう。
軽貨物の様に事業で車両を使用する場合、走行距離も伸びますし、事故などのトラブルに巻き込まれる可能性も上がります。
リース会社やローン会社も滞納などがあった場合、車を引き取らなければならない可能性もあります。事故や走行距離が多くなると車両としての資産価値も減りますし、把握しておくのは当然のことですよね。
車検証の所有者が違う場合は、『使用承諾書』『リース契約書』『委任状』『印鑑証明』などが必要になりますので要注意ですよ。

②営業所・車庫を用意する
次に、事業用の拠点を準備します。
営業所って自宅でもいいの?
これは非常によく聞かれますが自宅でも可能です。
実際、個人事業として軽貨物を始める方の大半は自宅開業です。
ただし、
- 使用権限がある
- 休憩・睡眠施設を確保できる
などの条件がありますが、持家だったり、大家さんの許可さえとれているのであれば特に問題はありません。
ちなみに、休憩や睡眠施設は最低限何㎡あればいいですか?との問い合わせもありますが、決まりはありません。
止まり運行がなければ睡眠施設は必要ありませんし、休憩スペースもソファーを置ければ十分ではないでしょうか?
駐車場は営業所から2km以内
軽貨物の駐車場は、基本的には「使用する営業所に併設、または近接」している必要があります。
わざわざ倉庫みたいなのを用意せずとも月極駐車場で問題ありません。
ただし、『使用権限の有無』と『車両が収まるサイズ』なのかは確認されますので、自分で借りている駐車場で届出しましょう。
あと、事業用車両になりますので車庫の届出(軽自動車の車庫証明)は不要です。

③運輸支局へ届出を提出する
いよいよ本番ですね。
提出先は、営業所を管轄する運輸支局です。
提出する代表的な書類は以下の通りです。
軽貨物自動車運送事業|必要書類
① 貨物軽自動車運送事業経営届出書
メインの届出書です。
事業者情報や営業所、車両情報などを記載します。
② 運賃料金設定届出書
軽貨物事業では、運賃を設定して届け出る必要があります。
③ 事業用自動車等連絡書
これが後ほど黒ナンバー取得時に必要になります。
運輸支局で受理印をもらった後、軽自動車検査協会へ持参します。
④ 車検証のコピー
使用する車両の情報確認ですね。
上記が必要な書類になります。
記載例については、大阪運輸支局が公開している記載例が分かりやすいので参考にしてください。
※大阪運輸支局公開資料を引用
④軽自動車検査協会で黒ナンバー取得
運輸支局で届出が終わったら、次は軽自動車検査協会です。
ここで、
- 黒ナンバー
- 事業用の車検証
へ変更します。
必要なもの
一般的には以下の書類が必要となります。
- 事業用自動車等連絡書(届出の際に運輸支局で発行)
- 車検証
- ナンバープレート
- 登録用書類
ここで事業用の新しい車検証が発行され、黒いナンバープレートを購入(約1,500円)して完了です。
晴れて、事業を開始できるようになります。

自分でやる?行政書士へ依頼する?
正直なところ、時間がある方であれば、自分で取得すること自体は可能です。
ただ、
- 平日に運輸支局へ行く必要がある
- 書類作成が面倒
- 不備対応がストレス
- 最新規制が分かりにくい
という点から、行政書士へ依頼される方も非常に多い届出となっています。
特に、
- 法人化予定
- 複数台運用
- ドライバー雇用予定
- 将来的に一般貨物も視野
という場合は、最初から専門家へ相談しておくと後々かなり楽です。
行政書士に黒ナンバー取得代行を依頼した場合の費用相場は、
3万円〜6万円程度が一般的です。
黒ナンバー取得代行の費用イメージ
| 内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 書類作成のみ | 20,000円〜40,000円 |
| 届出代行込み | 30,000円〜60,000円 |
| ナンバー変更込みフル代行 | 50,000円〜80,000円 |
| 法人対応・複数台 | 50,000円〜100,000円以上 |
※地域や対応範囲によって変動します。
費用に含まれていることが多い内容
一般的には、以下がセットになっているケースが多いです。
- 必要書類の案内
- 届出書作成
- 運賃料金表作成
- 運輸支局への提出代行
- 事業用自動車等連絡書の取得
- 黒ナンバー変更サポート
- 開業後の注意点説明
別途必要になる費用(実費)
行政書士報酬とは別に、
- ナンバープレート代
- 車検証変更費用
- 住民票取得費
- 郵送費
- 交通費
などの実費が必要になる場合があります。
黒ナンバー自体の取得費用はそこまで高額ではなく、実費は数千円〜1万円程度で収まることが多いですね。

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