【社交飲食店】風営法1号許可申請をスムーズに進めるための完全ガイド

社交飲食店の営業許可

どーも。20代前半はキャバクラで働いていたスキンヘッドの行政書士です。
ちなみにその頃はチャラチャラした髪型でしたが、髪のボリュームに悩みだした頃でもあります。

やっぱり夜働くと生活サイクルの乱れか育毛に悪いですよね。

さて、頭の話はどうでもいいですが、よくコンカフェやスナックを開業される方からご質問いただくのが、「社交飲食店」に関する法規制です。

ご存じのように接待行為を伴って食事やお酒を提供する飲食店は、風営法では、社交飲食店(接待飲食店)と区分されています。

皆さんお世話になったであろう、警察への許可申請ですね。

社交飲食店の営業許可は、風営法の1号許可と呼ばれるものが該当します。

この社交飲食店の営業許可申請は、消防や役所、警察署との調整や『平面図・求積図・照明音響設備』といった測量による図面作成もあり、用途地域の制限もあり、保全対象施設との距離や構造設備の要件もあるというかなり難易度の高い行政手続きです。

ぶっちゃけ行政書士の中でも手を出さない方は一切手を出さない業務です。
難易度の高さもあるんですが、警察の手続きはクセが強いというか他の行政機関と違った色があるからでしょうかね。

さて、本記事では、「社交飲食店営業許可」と呼ばれるこの許可申請をスムーズに進めるために、「あなたのお店が社交飲食店に該当するのか否かの判断ポイント」や「許可を取得する為に満たすべき要件」「用意すべき必要書類」について、行政書士の立場からわかりやすく解説します。

5分程度で読めるよう、要点をギュッと絞って解説しますので最後までお読みください。


接待行為

社交飲食店(接待飲食店)とは?|風営法1号可の必要性を再確認

 

さて、それでは早速ですが、あなたの計画しているお店が「社交飲食店」に該当するのかどうかを確認しましょう。

そもそも取得する必要もないかもしれませんしね。
改めて社交飲食店(接待飲食店)の定義を確認しましょう。

社交飲食店の定義

風営法上の社交飲食店とは、主に「接待」を伴い、お客様に遊興や飲食をさせる営業形態のことを言います。

接待がダメなんだねー。

そうかー接待か・・・。

・・・相手を褒めちぎってヨイショする感じってこと??

この業界になじみのない方であれば、接待の言葉のニュアンスはこんな感じでしょう。

しかし、風営法では『接待行為』は下記の様に定義されています。

接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいう。

この意味は、営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して4の各号に掲げるような興趣を添える会話やサービス等を行うことをいう。言い換えれば、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことである。

接待行為の具体例

①談笑・お酌等

特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。

②ショー等

特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は接待に当たる。これに対して、ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は、接待には当たらない。

③歌唱等

特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為は、接待に当たる。これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、若しくは不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等は、接待には当たらない。

④ダンス

特定の客の相手となって、その身体に接触しながら、当該客にダンスをさせる行為は接待に当たる。また、客の身体に接触しない場合であっても、特定少数の客の近くに位置し、継続して、その客と一緒に踊る行為は、接待に当たる。ただし、ダンスを教授する十分な能力を有する者が、ダンスの技能及び知識を修得させることを目的として客にダンスを教授する行為は、接待には当たらない。

⑤遊戯等

特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえない。

⑥その他

客と身体を密着させたり、手を握ったりするなど客の身体に接触する行為は、接待に当たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等は、接待に当たらない。また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待に当たらない。

 

上記が解釈運用基準による風営法における接待行為となります。

上記をよく読むと結構接待の範囲が広いですよね。
特定の顧客との談笑、カラオケの手拍子や「お兄さん、むっちゃ歌上手いですね!!」といって褒める行為、デュエット。
スキンシップやトランプなどの遊戯、食べ物を「あーん♡」してもらうことも接待です。。。

ということは、、、

スナック・ラウンジ・ガールズバー・クラブ・キャバクラ・ホストクラブ・メイドカフェといった営業形態のお店は、『社交飲食店の営業許可(風営法1号営業)』を取得しなければ、私達、、、、おっと、お客様の求めるサービスを満足に提供できません!!

ガーン

 

少し長くなりましたが、あなたのお店が社交飲食店に該当するのか?接待行為を知らずに行っていないか?というのは、風営法に関わるお店にとって非常に大切な知識ですので、ここはじっくりと説明させていただきました。

では、次は社交飲食店の営業許可(風営法1号許可)を取得する為に、満たさなければならない3つの要件についてご説明しますね。


 

行政書士が教える

社交飲食店の営業許可(風営法1号営業)を取得する為の3つの要件

 

さて、あなたのお店に風営法の許可が必要かどうか判断できましたか?

もし、あなたのお店のサービスに接待が欠かせないのであれば、次の3つの要件を満たす必要があります。

人の要件

まずは、お店を開業しようとしている申請人となるあなた自身(法人の場合は役員)と管理者に関する要件です。

下記に該当する場合は、風俗営業許可は取得できません。

・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

・1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

・集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者

・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

・心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者

・風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

・営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

 

大丈夫ですか?

該当していませんか?

該当していなければ『人の要件』はクリアです。
お待ちかねの物件探しを始めましょう。

②店舗の場所の要件

社交飲食店はどこでも出店できるわけではありません。

よく繁華街の一角がキャバクラやホストなどの歓楽街になっているのはこれが理由の一つですね。
規制に合った場所の物件を探すとそりゃ場所は集中します。

では具体的にどのような場所を選択すればいいのでしょうか?

 

出店場所を探すときに確認するべきなのは、『用途地域』『保全対象施設との距離』です。

『用途地域』

客商売は立地が命!!とよく言われますが、これは何も集客面だけの話ではありません。

あなたが社交飲食店を開業したいのであれば、用途地域も出店の段階で確認しておく必要があります。

というのも住居系の用途地域では、社交飲食店の営業許可は取得できません。
根拠法は各都道府県の風営法条例。
例えば、弊所のメインエリアの大阪府では下記の様に定められています。

 

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例

(風俗営業の許可に係る制限地域)

第二条 法第四条第二項第二号の条例で定める地域は、次に掲げる地域とする。

 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号に規定する第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域。ただし、第一種住居地域、第二種住居地域及び準住居地域のうち公安委員会規則で定める地域を除く。

 

分かりやすく言うと、用途地域が住居とついてればほぼダメです。

□近隣商業地域 □商業地域 □準工業地域 □工業地域

出店の際は上記の用途地域に絞って物件を探してくださいね。
用途地域は不動産屋さんに聞けば教えてくれますが、ご自身でも調べることが可能です。

大阪市であれば、マップナビおおさか | トップ

各市区町村役場でも教えてくれますし、ネット上で検索できる市区町村も増えてきましたので一度検索してみましょう。

『保全対象施設との距離』

聞きなれない言葉だと思いますが、保全対象施設とは、風俗営業から有害な影響を受けないよう一定の規制距離による保護を受ける施設のことです。

学校の近くだと青少年の育成に悪いとかいうあれですね。

こちらも都道府県条例に定められていて、大阪府は下記の様になります。

(風俗営業の許可に係る制限地域)

第二条 法第四条第二項第二号の条例で定める地域は、次に掲げる地域とする。

学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校若しくは同法第百三十四条第一項に規定する各種学校のうち主として外国人の幼児、児童、生徒等に対して教育を行うもの、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する保育所又は医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定する病院若しくは同条第二項に規定する診療所(患者を入院させるための施設を有するものに限る。以下同じ。)の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲おおむね百メートル(当該施設の敷地が都市計画法第八条第一項第一号に規定する商業地域にある場合にあっては、当該施設の敷地の周囲おおむね五十メートル)の区域。ただし、公安委員会規則で定める区域を除く。

 

読みにくいので簡単に要約すると、まず、保全対象施設の敷地から許可を取得しようとしている店舗まで100m以上離れていなければなりません。
※用途地域が、商業地域の場合は50m

そして、大阪府を例に挙げると下記のような施設が保全対象施設に該当します。

【大阪府における保全対象施設】

  • 学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)
  • 幼保連携型認定こども園
  • 利用定員が20人以上の保育所
  • 入院施設のある病院・診療所

 

上記の保全対象施設の調査は風俗営業において本当に重要な事項です。

近くに、風俗営業許可を取得している店舗があっても安心は全くできません。

その店舗が許可を取得したときには近くに保全対象施設がなくても、今現在は調べなければわかりませんからね。
勿論、警察に聞いても教えてはくれませんので、グーグルマップやゼンリン地図を片手に地道に歩いて調査をしましょう。

③構造要件

場所が決まれば、次はお店の構造です。

不動産屋さんが「居抜きだから大丈夫だよー」と言っても100%の信頼はいけません。
居抜きであっても前の店が無許可で社交飲食店をしていたケースもありますし、経営者の趣味に合わせて現場調査の後に改装している可能性もあります。

必ず経営者であるあなたご自身が最後は確認してください。

 

下記の7つのポイントを押さえておきましょう。

 

1 客室の床面積は、料理店(和室)は1室9.5㎡以上、その他の社交飲食店については1室16.5㎡以上
ただし客室の数が1室のみの場合は何㎡でもOK
2 客室の内部が外部から容易に見通すことが出来ないものであること。
透明な窓ガラスには曇りガラスシートなどの工夫が必要。
3 客室の内部に見通しを妨げる設備等を設けないこと。
見通しを妨げる設備等は、仕切りやついたて、カーテン、背の高い椅子、カウンターや腰壁の高さが1メートル以上のものですね。
4 善良の風俗等を害するおそれのある写真、広告物、装飾等の設備を設けないこと。
エロいポスターや写真なんかはダメですね。
5 客室の出入に施錠の設備を設けないこと。
営業所外に通じる出入口は施錠設備設けて大丈夫です。
6 営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
7 騒音又は振動の数値が、条例で定める数値に満たないように維持されるために必要な構造又は設備
  を有すること。

 

いかがでしょうか?

 

『人・場所・構造』

 

この3つを満たして初めて許可を取得することができます。
確認し過ぎるくらい確認しましょうね。

必要書類

社交飲食店の営業許可|必要書類

①風俗営業許可申請書&営業の方法
各都道府県の警察署ウェブサイトよりダウンロードしましょう。

②個人:住民票(本籍地入り) 法人:定款と履歴事項全部証明書と役員全員の住民票(本籍地入り)

③身分証明書
本籍地の市町村役場で取得できます。

④登記されていないことの証明書
法務局で取得できます。

⑤違法建築物でない旨の疎明書類
建築計画概要書又は建築確認台帳記載事項証明書等。各市町村役場の建築指導課で取得可能です。

⑥用途地域を証明する書類
大阪市であれば、マップナビおおさか | トップ

各市区町村役場でも取得可能です。

⑦営業所平面図・客室求積図・客席配置図・電気音響設備
手書きでも大丈夫ですが、しっかりと測量して図面を作成する能力が求められます。

⑧賃貸借契約書・使用承諾書

⑨周辺地図
google mapで十分です。

⑩メニュー
まだできていないければ手書きの簡易で大丈夫です。

⑪飲食店営業許可証

 

 

上記が必要書類となります。
慣れていないと集めるだけでも1~2カ月かかってしまいますので、オープン日から逆算して調整するようにしましょう。

 

【時間がない】【不安】【プロに任せたい】【めんどくさい】

 

 

 

上記のような場合は、ぜひ弊所にご相談ください。
アドバイスから手続きの代行まで、トータルで全力サポートさせていただきます。

 

 

 

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それでは最後によくあるご質問をまとめさせていただきます。

 

よくある質問

社交飲食店(1号営業)の営業許可に関するQ&A

【物件・場所に関する疑問】

Q.営業したい物件が、そもそも許可を取れる場所なのかどうかが心配です。
A.用途地域と保護対象施設からの距離が最重要です。 風俗営業1号許可を取得できるかどうかは、物件の所在地の「用途地域」と、学校や病院などの「保全対象施設」から定められた距離が離れているかによって決まります。物件の契約を結ぶ前に当事務所にご相談ください。
Q.賃貸している物件の名義人と許可申請する名義人が違うんですが・・・。
A.それは、いわゆる『転借』という状態ということですね。
物件の所有者と物件の賃貸人の2人の使用承諾書があれば問題ありません。

【手続き・期間に関する疑問】

Q.許可申請にかかる期間はどれくらいですか? スムーズに進めたいのですが。
A.申請受理後、審査期間は45日が標準処理期間です。
これに加えて、物件調査、測量、図面作成、書類の準備に約2週間~1ヶ月程度の準備期間が必要です。開業予定日から逆算して、早めの準備開始をおすすめします。
Q.ギリギリまで前のお店が営業して、許可取得後に自分のお店が開業することはできますか?
A.可能ですが、保健所、警察、消防などの各行政機関との調整が必要となります。
Q.申請から現地調査にくるまでの間に内装工事を始めても大丈夫ですか?
A.はい、大丈夫ですが注意が必要です。 申請時に提出する図面と、完成した店舗の構造・設備が一致している必要があります。また、完成後に照度(明るさ)や見通しを妨げる設備なども確認する必要があります。

 

 

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