こんにちは!大阪を中心に関西全域で風営法の許認可手続きのお手伝いをしている行政書士山本貴史事務所です。
いつもは小難しい用語をこのホームページで解説したりしてますが、ふと思いました。
「現実を伝えるには、当事者の視点になるのが一番ではないか?」
というわけで、架空のキャラクターを使用して、もしも行政書士を辞めてバーをオープンしたら?という「イフ(if)ストーリー」を作成しました。
Geminiさんのおかげでわかりやすく伝えれますね!
それでは、第一章からお読みください。
順次公開していきます。
第1章:思いつきは突然に
場所: 某行政書士事務所
時刻: 午後3時のおやつタイム

行政書士: 「なぁなぁ、秘書ちゃん。重要なお知らせがある」
秘書: 「なんです? また『たこ焼きの経費計上』についてなら、税理士さんに怒られたばかりですよね」
行政書士: 「違うわ! ……俺、行政書士を辞める」
秘書: 「(無表情で)はい、お疲れ様でした。廃業届の用紙、出しておきますね」
行政書士: 「止めろよ! ほんのり止めろよ! ……いや、完全に辞めるわけやない。俺はな、ミナミでバーをやることにしたんや!」
秘書: 「はぁ……。どうせ昨日の夜、ミナミで飲んでて『俺ならもっといい店作れる!』とか豪語したんでしょ?」
行政書士: 「ギクッ。……い、いや、これは『現場主義』や! お客様の苦労を肌で感じるための崇高なプロジェクトなんや! 店名は『Bar 照らす』。どうや、輝いてるやろ?」
秘書: 「物理的にね。……で? 資金はあるんですか? コンセプトは? 物件は?」
行政書士: 「それはこれからや! 善は急げ、今すぐ不動産屋に行くぞ! ついてこい!」
秘書: 「あ、ちょっと待ってください! 今の先生の知識だけで行くと、絶対カモられますよ!」
第2章:物件選びの落とし穴「スケルトン vs 居抜き」
場所: ミナミの不動産屋 仲介担当者との面談後

行政書士: 「いやー、さっきの東心斎橋の物件、最高やったな! コンクリート打ちっぱなしで、何もない空間! 俺の理想の城が作れそうや!」
秘書: 「先生、あれは『スケルトン物件』です。内装を一から作るのに坪単価いくらかかると思ってるんですか? 空調も配管もトイレもないんですよ?」
行政書士: 「えっ、トイレくらいあるやろ?」
秘書: 「ありません。創業融資もまだ通ってない貧乏オーナーの先生には、前の店の設備が残っている『居抜き物件』一択です! 造作譲渡代がかかっても、トータルコストは全然違いますから」
行政書士: 「ぬぬぬ……夢がないなぁ。じゃあ、さっきのもう一つの物件はどうや? 広さと立地ちょうどよくて家賃安いやつ」
秘書: 「あそこはダメです。契約書を見ました? 『使用目的:事務所』って書いてありましたよ」
行政書士: 「え? 事務所仕様でも、勝手に改装してバーにしたらええんちゃうん?」

秘書: 「それが一番ダメなやつです!! 大家さんの承諾なしに飲食店やったら契約解除ですし、そもそも建物の構造上、飲食店の許可が下りない可能性が高いです。先生、本当に行政書士ですか?」
行政書士: 「うっ……専門は『許可申請』であって『物件探し』は素人やからな……。頼む、秘書ちゃん。ええ物件探してくれぇ!」

【ここがポイント!】バー開業のための物件選びと契約
さて、物語の途中ですが、ここで専門家としての解説を挟みます。 先生のように勢いだけで契約すると、後で「営業許可が取れない!」という最悪の事態になります。
1. 「居抜き」と「スケルトン」どっちが得?
初めての開業で、資金に余裕がない場合は「居抜き物件」が圧倒的に有利です。
メリット: 内装工事費、設備費を大幅に抑えられる。工期が短い。
デメリット: 前の店のイメージが残る。設備が古くてすぐ壊れるリスクがある(動作確認は必須!)。
2. 契約書の「使用目的」と「承諾」を確認せよ
賃貸借契約書には必ず目を通してください。
使用目的: 「店舗(飲食可)」になっているか。「事務所」や「倉庫」では原則NGです。
風営法の可否: バーとして深夜(0時以降)も営業したい場合、契約書に「風俗営業等の禁止」や「深夜営業の禁止」条項がないか確認が必要です。
解約予告: 閉店する時に「何ヶ月前に言わないといけないか」。店舗は「6ヶ月前」が一般的です。これを忘れると、閉店したのに半年分の家賃を払い続けることになります。
3.「用途地域」を確認せよ
深夜酒類提供飲食店営業の届出を提出する為にも、物件の「用途地域」を確認しましょう。
日本の土地は、都市計画法によって「住居用」「商業用」などに色分けされています。
原則として、「住居地域」では深夜営業ができません。
第一種低層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域 など
「駅前だから大丈夫だろう」と思っても、道路一本挟んだ向こう側が住居地域だった、ということは大阪市内でもよくあります。 不動産屋さんは「飲食店可」とは言いますが、「深夜営業可」かどうかまで詳しく調査していないことがあります。契約前に必ず、専門家による用途地域の調査が必要です。
次回予告:金がない! 公庫との汗だく面談バトル
何とかミナミの雑居ビルに、手頃な居抜き物件を見つけたスキンヘッド先生。 しかし、契約金(保証金・礼金・仲介手数料)を払うと、手元の資金がスッカラカンに! 頼みの綱は「日本政策金融公庫」の創業融資。 意気揚々と書き上げた「創業計画書」を見た秘書ちゃんが、再び激怒する!?
第2話「金がない! 公庫との汗だく面談バトル」へ続く!

