【第2話】金がない!大阪ミナミでバー開業資金…公庫の創業融資と事業計画書の書き方

前回、勢いで大阪ミナミの居抜き物件を契約したスキンヘッド先生。 しかし、契約金(保証金・礼金・仲介手数料)を振り込んだ直後、通帳を見てある重大な事実に気づく……。

「内装工事と、お酒の仕入れ代が、ない……!」

これは、行政書士が自ら体を張って「日本政策金融公庫(公庫)」の創業融資に挑む、汗と涙のドキュメンタリー(架空)である。

残高0

第1章:通帳残高、驚異の3桁

場所: 契約したばかりの「Bar スキンヘッド(予定地)」 時刻: 内装業者との打ち合わせ前

行政書士: 「ひ、秘書ちゃん……。この通帳の数字、見間違いやんな? 桁が、桁が3つくらい足りひんのやけど……」

秘書: 「(電卓を叩きながら)いえ、現実です。物件取得費で手持ちの現金、ほぼ全滅です。内装工事の見積もり、どうやって払うつもりですか?」

行政書士: 「そ、それは……せや! 『創業融資』や! 俺は行政書士やぞ? 融資のプロや! 公庫(日本政策金融公庫)に行って、ガツンと借りてきたるわ!」

秘書: 「……先生。お客様の融資サポートは完璧ですけど、自分のこととなると途端にポンコツになりますよね。まさか、自己資金ゼロで申し込む気じゃないでしょうね?」

行政書士: 「うっ……。ま、まあ、熱意でカバーや!」

秘書: 「基本的に自己資金ゼロでは、どんなに事業計画がしっかりしていても難しいことはご存じですよね?一般的に融資金額は自己資金の3~4倍程度が目安です。へそくりとかないんですか?」

行政書士: 「あとは、いつ廃業しても大丈夫なように退職金代わりに貯めてる定期預金しか……。」

秘書: 「あるじゃないですか!!『定期預金』は自己資金の中でも金融機関からの評価が高い資金ですよ!」

行政書士: 「えっそうなん?」

秘書: 「当たり前です。例えば、現金で100万円持っているのとコツコツと預金された100万円は金融機関から見ると同じではありません。しっかりと準備してきたんだなと、かなりのプラス評価になります!」

行政書士: 「やっぱり小さなことからコツコツと積み重ねるもんやなぁ。」

事業計画

第2章:ポエムすぎる創業計画書

場所: 行政書士事務所(深夜)

秘書:書き直し!! なんですかこれ!?」

行政書士: 「ええやんか! 『創業計画書』のセールスポイント欄、魂込めて書いたんやぞ!」

秘書: 「『俺の輝くスキンヘッドと、ミナミの夜に咲く一輪の愛の詩(ポエム)』……って、ポエム書いてどうするんですか! 公庫の担当者はポエマーじゃないんですよ!? 数字は? ターゲット層は? 競合との差別化は!?」

行政書士: 「ひいぃっ! すんません! 書き直しますぅ!」

秘書: 「創業融資の事業計画書作成のポイントは、『客観的な根拠に基づく収支の見通し』『同じような業種での経験』。そして、『事業に書ける熱意』です!」

行政書士: 「リサーチからやり直します!」

公庫の面談

第3章:決戦!公庫面談室

場所: 日本政策金融公庫 某支店 面談室

面談担当者(強面):

「……えー、行政書士の先生ご自身が開業されると。ほう。で、この計画書の『売上予測』ですが、根拠は?」

行政書士(汗だく):

「あ、はい! えーっと、ミナミは人が多いので、たぶん、これくらいは……来るんじゃないかなーと……」

秘書:

「(小声)先生! 『たぶん』は禁句です! 客単価と席数と回転率で説明してください!」

行政書士:

「ひっ! あ、いや、その! 近隣の類似店のデータを分析しまして! 客単価4000円で、平日2回転、週末3回転を見込んでおります! (秘書ちゃんの作った資料を棒読み)」

面談担当者:

「なるほど。で、自己資金が少し少ないようですが……」

行政書士:

「そ、それはその……情熱でカバーを……」

秘書:

「(食い気味に)現在、別の定期預金を解約手続き中でございまして、来週には追加で〇〇万円ご用意できます!」

面談担当者:

「そうですか。。事業計画もしっかりしてるようですし、自己資本も問題なし。審査結果は後日となりますが、ご安心いただいても大丈夫だと思いますよ。」

秘書:

「ありがとうございます!これから長いお付き合いになると思いますが、宜しくお願い致します。」

ここがポイント

【ここがポイント!】創業融資を成功させる3つの鍵

先生のように冷や汗をかかないために、公庫の創業融資(新創業融資制度など)で絶対に押さえておくべきポイントを解説します。

1. 「自己資金」は嘘をつけない!

公庫は「コツコツとお金を貯めてきた計画性」を評価します。

  • 理想の割合: 創業に必要な総額の3分の1以上を自己資金で用意するのが理想です。

  • 見せ金はNG: 直前に誰かから借りて一時的に通帳に入れたお金(見せ金)は、通帳の履歴を見ればすぐにバレます。審査落ちの決定打になるので絶対にやめましょう。

2. 創業計画書は「熱意」より「根拠」

ポエムは論外ですが、「絶対に成功します!」という精神論だけではお金は借りられません。

  • 具体的な数字: 売上予測は「客単価 × 席数 × 回転率 × 営業日数」で算出根拠を明確にしましょう。

  • 自身の経験: 飲食店での勤務経験や、経営の経験がある場合は、それを強くアピールします。未経験の場合は、経験豊富なスタッフを雇うなどの対策が必要です。

3. 面談は「リハーサル」が命

面談は一発勝負です。聞かれることは大体決まっています。

  • 動機: なぜその事業をやりたいのか。

  • 経験: その事業を成功させるスキルはあるか。

  • 返済計画: 借りたお金をどうやって返していくか。 これらを自信を持って答えられるよう、想定問答集を作って練習しておきましょう。

 

次回予告:保健所が通らない!?2槽シンクの悲劇

秘書ちゃんのファインプレー(?)のおかげで、何とか融資の審査が通ったスキンヘッド先生。 いよいよ内装工事が完了し、保健所の開業前検査の日を迎える。 しかし、やってきた検査員が、厨房を見るなり眉をひそめた……。

「先生、このシンクじゃ許可おりませんよ」

まさかの工事やり直し!? 開業日は間に合うのか!?

第3話「保健所が通らない!?2槽シンクの悲劇」へ続く!

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