簡易宿所営業の施設外玄関帳場|許可にそびえる800mの壁

800mの壁

旅館業(簡易宿所)の許可を取得する方にとって大きな壁となるのが800mの壁・・・『駐在規定』というものがあります。
前回下記の記事でご説明させていただいた『玄関帳場』。

玄関帳場ってなーに?

令和2年4月1日以降は、原則としてすべての旅館業は施設内部に駐在させなければなりません。

しかし、全ての旅館施設に駐在できる施設が設けれるとは限りませんよね。
特に簡易宿所の場合は、スペースもないので特に難しいです。

このような場合に例外的に、条件を満たせば施設外玄関帳場を設けて施設外に従業員などを待機させることができます。

この記事では、施設外玄関帳場を設けるための条件、問題点について解説していきます。

京都市の施設外玄関帳場を設けることができる条件とは?

以下の条件に適合し構造設備を設置して変更届を提出すれば、現状敷地内に玄関帳場を設けている事業者も施設外玄関帳場を設置することができます。

🔳条件
次の要件を備える簡易宿所営業の施設(※小規模宿泊施設)であること。
①客室数は1室
②施設のすべてを宿泊者の利用に供するもの
③1回の宿泊は,9人以下で構成される1組に限定

つまり2組以上を宿泊させるのであれば施設外玄関帳場は使えない・・・。

 

🔳構造設備

◎小規模宿泊施設
必要な構造設備:鍵,電話機,ビデオカメラ等
◎施設外玄関帳場
必要な構造設備:施設内玄関帳場と同等の設備+モニター等
設 置 位 置:小規模宿泊施設まで10分以内に到着することができる場所
(道のりでおおむね800m 以内)

 

上記の条件のクリアと構造設備を設ければ施設外玄関帳場を設置することができます。
しかし、この条件をクリアするのが意外と難しいんですよね・・・。

懸念する点を知っておきましょう。

小規模宿泊施設の定義

※京都市における小規模宿泊施設とは

  • 一戸建て又は長屋建て
  • 階数が3以下
  • 宿泊者と当該宿泊者以外の者の共用に供する部分が存しない構造

事例

※参照

京都市:施設外玄関帳場を活用した小規模宿泊施設への変更手続について (kyoto.lg.jp)

建物が3階建て以下である必要があるんですね。
立地も申し分なくお気に入りの物件を契約したはいいが、4階建てなので許可が取れません・・・とならないように気を付けましょう。

800m以内の常駐規定

これが開業する地域によってはきついですよね。
施設外玄関帳場を備える場合800m以内に設置する必要があります。

ちなみに直線距離ではなく道のりです。
こうなるとかなり範囲が限定されます。

対応策として多いのは外注でしょう。
だいたい2万~5万円/月額程度でしょうか?

都市部ならまだしも郊外は外注するのはほぼアウト。(800m以内にないので)
この場合は自分で施設外玄関帳場を設置する必要があります。

ただし、あくまで旅館業の施設ですので旅館業法のしばりをうけます。
住宅用のワンルームマンションでは構造上設置するのが難しく場所はかなり限定されますし、費用も掛かります。

これがくり出来なくて悩んでいる事業者さんも多いのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしょうか?
施設外玄関帳場は便利な制度である一方、条件も厳しいものです。

簡易宿所をこれから開業しようと考えている方!

なるべく早い段階で行政書士などの専門家にご相談ください。
早い段階であれば物件の選定からお手伝いすることも可能です。

京都や大阪などの関西で旅館業許可を取得したい方はお気軽にお問い合わせください。

許可取得を考えている方は下記記事も合わせてお読みください。

旅館業許可の用途地域について

旅館業に使える補助金について

簡易宿泊所営業のFAQ

旅館業許可手続きの流れ

民泊に必要な許可の種類

 

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