ドローンのレベル4(有人地帯での目視外飛行)飛行の解禁により、ドローンがビジネスで活用される機会が大幅に増加することが見込まれます。
必要だった型式認証に対応した機種も少しづつ増えてきて、レベル4飛行も現実的になってきましたね。
そんな、大きなビジネスチャンス。
型式認証などのハード面での整備はメーカーさんなどにお任せして頑張ってもらうしかありません。
しかし、認証された機体だけではレベル4飛行はできませんよね?
そうです。
認証された機体を操縦するライセンスを持った操縦士が必要となります。
これからドローンのレベル4飛行を活用したビジネスが増加するにつれて操縦士のライセンスの需要も増加します。
重要な操縦士を育てるのが『登録講習機関』。ドローンスクールと呼ばれるいわゆるドローンの教習所ですね。
では【登録講習機関】にはどうやってなるのか?
この記事では、これから登録講習機関の登録をする為の要件と申請方法について、ドローン専門の行政書士がわかりやすく解説させていただきました。
5分程度で読めるようポイントをギュッと絞ってまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。
ドローンの登録講習機関(ドローンスクール)とは?
まずは登録講習機関について認識を共有しておきましょう。
簡単に言うと車の教習所のドローン版です。
ドローンスクールは、ドローンの国家資格である【無人航空機操縦者技能証明】を受験する人に向けた講習を受けることができる場所なんですが、その中でも、国土交通省が一定レベル以上の講習を提供できると認めたスクールが【登録講習機関】です。
国土交通省のお墨付きということで登録講習機関で受講し終了すると、国家試験の『実地試験』が免除されます。
この辺は車と一緒ですよね。
車の教習所も卒業すれば、実地試験は免除で学科試験だけとなりますのでイメージしやすいです。
この国家試験(無人航空機操縦者技能証明)は運転免許と一緒で教習所に行かなくとも受験は可能です。
しかし、ドローンは練習できる場所も少なく、自分の使い慣れた機体では受験できない為、現実的に考えるとドローンスクールを受講せざるを得ないですよね。
しかし、お国がお墨付きを与える訳ですので、講師の技能や施設・設備などが一定のレベル以上ですよ!と厳しく審査されます。
登録講習機関として登録する為の要件について説明しますので、これから登録講習機関を目指される方はしっかりとお読みくださいね。
登録講習機関になるための要件
まず大前提として、登録できるのは個人事業主ではなく『法人』のみです。
法人というのは、株式会社や合同会社・学校法人や一般社団法人やNPO法人などのことです。
法人格が無いと登録講習機関にはなれませんので、まずは法人を作りましょう。
合同会社であれば、自分でやれば10万程度で設立できます。
そして、申請する法人や代表取締役・役員が下記に該当しないこと。
□航空法又は航空法に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない
□登録講習機関としての登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
簡単に言うと悪いことしてなければ大丈夫です。
そして、次にドローンスクールの運営に不可欠な講師の要件ですね。
登録講習機関の講師の要件
そして、一定レベル以上の講義が行える『講師』の要件です。
ちなみに登録講習機関は、一等無人航空機操縦士(一等資格)の講習を行う「一等登録講習機関」と二等無人航空機操縦士(二等資格)の講習を行う「二等登録講習機関」の2種類に分類されます。
必要な要件も違いますので注意しましょう。
【一等二等共通】
□18歳以上であること。
□過去2年間に無人航空機講習事務に関し不正な行為を持った者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せされ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者でないこと。
□登録講習機関の修了審査の審査員には、講師の要件に加え指定試験機関による研修の受講を義務付け、修了審査の内容と水準を確保すること。
【一等講習機関の講師の要件】
次のいずれかの要件を満たすこと。
□一等無人航空機操縦士の技能証明(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る。)を有する者であって1年以上無人航空機を飛行させた経験を有する者。
□HP掲載講習団体などで1年以上の講師の経験があり、直近2年間で1年以上の飛行経験かつ100時間以上の飛行実績を有する者。令和7年12月5日で撤廃。(経過措置)
【二等講習機関の講師の要件】
□二等無人航空機操縦士の技能証明(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る。)を有する者であって6月以上無人航空機を飛行させた経験を有する者。
□HP掲載講習団体などでの6か月以上の講師経験と直近2年間で6か月以上の飛行経験かつ50時間以上の飛行実績を有する者。令和7年12月5日で撤廃(経過措置)。
※飛行経験については技能証明を取得した日ではなく、取得してから初飛行した日を起算日としてカウントします。
※原則として『飛行日誌』で飛行時間を証明する必要有り。
経過措置の撤廃について
こちらに関しては、わかりやすいので国土交通省の資料を貼っておきますね。
【登録講習機関登録申請時の講師の人数について】
登録講習機関の登録申請の代行の際に、講師は何人必要なのか?というご相談が多くありますので回答しておきますね。
結論として、登録申請時の講師の人数は1人いれば問題ありません!
講師1人で大丈夫なの?と心配になられると思いますが、講師の人数に関して定められているのは、国土交通省の登録講習機関の教育の内容の基準等を定める告示(001743806.pdf)に記載されている下記の文言くらいかと思われます。
実地講習の受講者の数は、一人の講師に対して、おおむね5人以下であること
20人受講してたら4人講師が必要なの?と思われるかもしれませんが、実地講習の日を分ければ1人の講師で対応は可能です。
ただ、講師の方も人間ですので体調不良なども十分あり得ます。
スクールの規模にもよりますが、3人以上は講師が欲しいですよね。
登録講習機関の施設・空域・設備の要件
登録講習機関で講習や審査を行う施設は、要件に合った施設を準備して登録申請時に審査する必要があります。
施設の要件
□占有していること
施設及び設備の概要書、不動産登記簿謄本、土地建物賃貸借契約書等により審査されます。
ただし、主たる事務所以外の事務所で行う講習であって、通常、地域住民に開放されている地方公共団体が管理する施設又は組合員のために使用が認められている施設等を使用するときは、この限りでない。(この場合、借用方法が分かる資料(使用する施設のホームページの画面を添付することも可)、料金形態、使用実績がある領収書等を添付すること)
□講義室が講義を行うのに適当な広さであること
施設及び設備の概要書、建物の見取図、写真等により審査されます。ちなみに、オンラインによる講義も可能です。
実習空域の要件
□占有していること
□実地講習に係る必要履修科目の講習を適切かつ安全に行うことができるものであること。
□修了審査を適切かつ安全に行うことができるものであること。
□最大離陸重量25kg未満:縦13m、横21m、高度5mの空域
最大離陸重量25kg以上:縦32m、横35m、高度12mの空域
設備の要件
□無人航空機
□送信機
□トレーニングケーブル
□予備バッテリー
□バッテリーチャージャー
□パイロン・旗及びテープ等
□時間測定器
□風速計
□終了審査に使用する無人航空機の予備部品
□照明機器
□発電機
□ヘリパッド
□保護具
□書籍や教材
実習及び終了審査に使用する機体の要件
□終了審査の内容を適切かつ安全に行うことができるものであること
□無人航空機の無線操縦用の送信機との組み合わせ:二つの操作棒で前進と後進、上昇と下降、左右移動、左右旋回が可能な送信機により、無人航空機の操作が可能であること。
□無人航空機の大きさ:プロペラを展開させて飛行させる状態とした場合に、対角上のプロペラ同士の中心点を結んだ線の長さが、200mm以上であること。
□風速毎秒5mでも飛行可能であること。ただし、屋内など風の影響を受けない場合を除く。
□修了審査を行う環境において、最低十分以上の飛行が可能であること。
□姿勢安定機能により、無人航空機の姿勢が安定して保たれること。
□位置安定機能により、無人航空機の水平方向および垂直方向の位置が安定して保たれること。
□位置安定機能による水平方向の位置の安定を、送信機で解除可能であり、位置安定機能なしに飛行可能であること。
□無人航空機と組み合わせる送信機の機能により、修了審査を受ける受講者が操縦する間においても、当該修了審査を行う審査員および修了審査員を補助する者が、受講者の保持する送信機とは異なる送信機を用いて、受講者に代わり操縦を行うこと(オーバーライド)ができること。ただし、当該受講者、修了審査員および修了審査員を補助する者並びに修了審査を行う空域周辺の安全を確保できる場合は、この限りでない。
□無人航空機の製造会社が求める適切な整備が適切な期間で実施されており、機体仕様通りに飛行できる状態であること。
□プロペラガードを装着できること。ただし、ネットまたはアクリル板等により、修了審査を受ける受講者および当該修了審査を行う審査員および修了審査員を補助する者を、飛行中の無人航空機から保護することができる場合を除く。
□夜間でも下方より無人航空機の前後左右を識別することができる灯火を有すること。ただし、法第132条の86第2項第1号の飛行方法についての限定をする場合を除く。
□無人航空機にカメラを搭載しており、修了審査を受ける受講者および当該修了審査を行う審査員が、カメラで撮影した画像から無人航空機の周辺および地上の状況を確認できること。ただし、法第132条の86第2項第2号に規定する飛行の法についての限定をする場合を除く。
□最大離陸重量25kg未満についての限定を伴わない修了審査の場合は、最大離陸重量25kg以上の無人航空機であること。
登録講習機関の登録申請方法
①gbizIDプライム及びDIPS2.0でのアカウント登録
②DIPS2.0で新規登録申請
メインメニューで「登録講習機関の登録」のボタンを選択します。
必要事項を入力して申請を完了させます。
③添付書類をメールで送付
オンラインによる申請完了後、申請に必要な添付書類を航空局が指定するメールアドレス宛に送付。
④登録免許税の納付
DIPS2.0のメインメニューから「申請状況確認/取下げ/支払い」のボタンを選択します。
Pay-easy(銀行ATM又はインターネットバンキング)にて、登録免許税を支払います。
※登録免許税は9万円。一等二等両方の場合は18万円。
⑤無人航空機講習事務規程の作成と送付(電子メール)
講習事務を開始する少なくとも1ヶ月前までに、航空局へ送付する必要があります。
⑥管理者及び講師講習の実施
⑦終了審査員研修の受講
⑧ドローンスクール開校!!
すべて完了するまで約2カ月となります。
補正などの状況により、慣れていないと半年かかることも全然あります。
その間の空家賃や講師の給料など考えると1カ月遅くなるだけでも数百万・・・。
恐ろしい。。。
登録講習機関登録申請の必要書類
□定款又は寄附行為及び登記事項証明書(提出の日前1年以内に作成されたものに限る。以下同じ。)
□登記事項証明書に記載がある役員全ての氏名を記載した書面、本籍の記載のある住民票の写し及び履歴書(提出の日前1年以内に作成されたものに限る。以下同じ。)
「職歴」は、現在に至るまでの主な職歴を記入し、特に無人航空機に関する職歴は全て記載すること。
なお、履歴書において写真は不要とする。
□施設及び設備の概要書
□講師の条件への適合宣誓書
□講師の氏名、担当科目及び専任又は兼任の別
□登録申請者の役員が法第132条の70第2項の規定に該当しないことを説明した書類
□修了審査用無人航空機の仕様要件又は機体認証書等
□ 修了審査用空域図
図面だけでなく地上から撮影した写真(修了審査用空域を枠で囲むこと)も添付すること
□組織図
講師、役員及びその他講習事務に必要な人員について、講習事務の実施に当たり十分な人員が配置されていることを示す資料を添えて提出すること。
□建物の見取り図
□ 建物の外観の写真
□講義室内部の写真
□使用する設備の外観の写真
□ 実習用空域の写真
□講習に必要な書籍の写真
教材はWebで公開している場合は、その表紙の画面キャプチャでも可とする。
登録講習機関登録申請代行は行政書士にお任せください
登録講習機関の登録申請は慣れてないと半端なく時間が掛かります。
通常2カ月で講習を開始できるのに、手続きが半年かかってしまうとどうなるでしょう?
家賃
人件費
光熱費
広告費
1カ月延びるだけでも数百万単位で余計なコストが発生します。
スムーズに手続きを進めるためにもお気軽にご相談ください。
そして、行政書士でもドローンに関する手続きに関わったことがある行政書士はごく少数です。
弊所はドローン業務に精通しており、基本的に直接お会いしてお打ち合わせをさせていただいています。
顔の見える、安心して依頼できる行政書士として、最後までサポートさせていただきます。
全国最安値とは言えませんが、可能な限りお求めやすいリーズナブルな価格で対応させていただきますので、まずはご連絡ください。