農薬散布ドローンと農薬取締法|農業者が知るべき規制と手続き

農薬取締法について

スマート農業。

近年、農業分野におけるドローン(無人航空機)の活用は目覚ましいものがありますよね
広大な農地の農薬散布を効率的に、そして省力化できるドローンは、多くの農業経営者にとって欠かせないツールとなりつつあります。

しかし、その利便性の裏側には、農薬の適正な利用周辺環境・人への安全性確保という、極めて重要な課題が伴います。ドローンによる農薬散布は、単にドローンを飛ばす技術だけでなく、国の定める航空法などの手続きや、農業特有の法律、特に農薬取締法を遵守することが不可欠です。

この記事では、農業者が知っておくべき農薬取締法に基づく規制の核心と、ドローン散布を実施するために必要な具体的な手続きについて、3分程度で読めるように要点をギュッと絞ってわかりやすく解説します。

農薬取締法とは?ドローン散布における基本

農薬取締法は、農薬の品質を確保し、その使用が安全かつ適正に行われることを目的とした法律です。この法律は、地上からの散布だけでなく、ドローンを用いた空中散布にも全面的に適用されます。

ドローン散布を検討する農業者の方がまず理解すべきは、使用する農薬が法律上のルールに適合しているかという点ですね。
あなたが知っておくべき農薬取締法では、「使用できる農薬が限定」されています
せっかくドローンを購入して、めんどくさい飛行許可も適法に手続きをしたのに、使用する農薬が法律に不適合っであれば何の意味もありません。

それでは、大事な農薬取締法について解説していきますね。

まずは、農薬取締法の目的。

(目的)
第一条 この法律は、農薬について登録の制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことにより、農薬の安全性その他の品質及びその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することを目的とする。
目的を読んでもらうとわかるように、農薬取締法とは、農薬の製造から販売・使用・輸入について規制を設けた法律です。
この法律が機能していることで、日本で流通する農薬の品質は保証されるわけですね。農薬を作るのも売るのも届出が必要となります。

ドローンで農薬散布をしていると、農薬の販売などもでてくることもありますので、一応覚えておきましょう。
忘れてもご相談いただければ弊所で代行します。

では、その規制されている農薬とは何なんでしょうか?
これは、第二条の定義を読んでみましょう。
(定義)
第二条 この法律において「農薬」とは、農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみ、草その他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤(肥料の品質の確保等に関する法律(昭和二十五年法律第百二十七号)第二条第一項に規定する肥料を除く。)をいう。
2 前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。
3 この法律において「農薬原体」とは、農薬の原料であって、有効成分及びその製造の結果残存する有効成分以外の成分から成るものをいう。
4 この法律において「製造者」とは、農薬を製造し、又は加工する者をいい、「輸入者」とは、農薬を輸入する者をいい、「販売者」とは、農薬を販売(販売以外の授与を含む。以下同じ。)する者をいう。
上記の様に、農作物を害する病害虫の防除に使用される薬剤は勿論ですが、防除に使われる『天敵』も農薬にみなされます。
これらのものをドローンで散布する場合には、農薬取締法の規制に縛られますので注意が必要ですね。

ちなみに農薬取締法に登録されている農薬であれば、使用することが可能となります。ドローンによる散布であっても、農薬の使用方法を始め、希釈倍数、使用量等を遵守できる範囲であれば、ドローンを使用して散布することができます。

ドローンに適した農薬については下記の農林水産省のシステムをご利用ください。
「農薬登録情報提供システム」の使い方等に関してはこちら【ドローンに適した農薬の検索方法】
(ア)「様々な項目から探す」をクリック
(イ)「使用方法」に「無人」と入力
(ウ)「作物を選択」をクリックし、散布したい作物名を選択し、「確定する」をクリック
絞り込みで作物名を入力し、検索することもできます。
(エ)「作物を選択」に作物名が入力されていることを確認し、「検索する」をクリック

 

農薬取締法の罰則について

最大、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、又はこれを併科。(※法人に対しては最高1億円の罰金)

結構厳しい罰則ですよね。
他人の生命にも関わりますし、当たり前といえば当たり前ですが。
これは、平成30年12月の改正農薬取締法により、安全の担保の為、罰則が大幅に強化されたことが原因ですね。

農薬取締法違反にならない為には?

①農薬の使用方法を守る

  • 使用回数
  • 使用量、希釈倍数
  • 使用時期
  • 使用総回数

農薬取締法では、上記が定められています。

②農薬の対象の作物・病害虫・雑草へ使用する

③農耕地で農薬以外の薬品を使用しない

例えば、農耕地で農薬取締法に登録されていない除草剤や枯葉剤を使用した場合などですね。

ドローン専門行政書士

まとめ

いかがでしょうか?
農薬取締法について理解が深まりましたか?

弊所では、農薬散布に関わるドローンの飛行許可や農薬使用計画書の手続きを代行しています。
また、農地の売買や賃借や用途変更等、農地転用の手続きなどもリーズナブルな価格でご提供させていただきます。

ドローンや農地に関する手続きでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です