ドローンの事故/重大インシデントについて解説します

事故/重大インシデント

ドローンは便利な反面、時には人の命を奪ってしまうほどの危険なものです。
そんな危険なものを扱っているのですから事故への配慮は避けて通ることはできませんよね。

しかし、「どんなに気をつけていても事故の可能性は0にはなりません。」

万が一事故を起こしてしまった場合の対応について、知っておきたいという方はこの記事を最後までお読みください。
事故を起こしてしまった場合に、あなたがやるべきことをまとめました。

事故/重大インシデントとは?

まずは、航空法における事故及び重大インシデントとは何ぞやという所から説明しますね。

『事故』は勿論皆さん馴染みのある単語だと思いますが『重大インシデント』って聞いたことありますか?

ちなみに、業務としてドローンに係るまでは僕は恥ずかしながら意味を知らなかったです。
なので調べました。

まず英単語の意味ですが、「出来事」や「事件」といった意味の単語でした。
航空業界では「 重大な事故には至らないものの、重大な事故が発生するおそれがあったと認められるもの」を指す言葉として使われているようですね。

それでは、どのような事態が重大インシデントに該当するのでしょうか?
国土交通省の資料では下記の様に記載されています。

事故インシデント

・人の死傷については重症以上
※軽傷の場合は重大インシデント
・物件の損壊については、損壊の程度は関係なく軽微な場合も含まれる
・制御が不能となった事態
※機体不具合による操縦不能が報告の対象
※操縦ミスに起因するものは報告の対象外

機体不具合の例:無人航空機と操縦装置間の通信障害(無人航空機が通信可能な範囲から逸脱したものを除く。)、想定しないバッテリー切れ、機体構造や装備品等の機能不良など。

操縦ミスの例 :無人航空機が操縦装置と通信可能な範囲から逸脱したもの、バッテリー残量の確認不足によるバッテリー切れ、急旋回等の操作による失速、気象状況の確認不足により風にあおられたなど。

・無人航空機の発火
飛行のために無人航空機の推進装置が稼働状態にある場合において発生したものを報告の対象とする。これらに該当しない状態での発火(例えば、保管中の無人航空機のバッテリーの発火等)については、飛行に関連しない発火として、報告の対象とはしない。

上記が航空法における事故や重大インシデントの概要となります。
この内容を理解しておくことはとっても重要ですよー。
以下の国土交通省の資料を見てください。

事故重大インシデントの件数

こうみると、非該当事案が全体の7割以上を占めてますね。
まだ制度も始まったばかりですし、まだまだどこまでが報告の対象になるのかわかりかねているといった感じですね。

事故/重大インシデントに該当する場合の対応

それでは、実際にどのような対応を行えばいいのでしょうか?

ドローンを操縦していて事故を起こした場合、まず目の前の人の救護や警察への連絡などは当然ですが、そのあとにDIPS2.0の事故報告機能を用いて報告を行う必要があります。※DIPS2.0を使用できないやむを得ない場合は電子メールでも大丈夫です。

流れはこんな感じ。

①操縦しているドローンによる事故発生

②救護や警察への連絡

③事故/重大インシデントに該当するか判断

④DIPS2.0で事故報告

ちなみに、事故等の報告をしない又は虚偽の報告を行った場合、30万円以下の罰金。
また、負傷者の救護など危険を防止するために必要な措置を講じない場合、2年以下の懲役又は百万円以下の罰金です。

 

「面倒だし、まぁいっか。」

そんな風に軽く考えているとシャレにならないので気を付けましょう。

車の事故でも負傷者の救護なんかをせずに逃げるとひき逃げですよね?

ドローンも同じです。
操作一つで人が死ぬ可能性があります。

DIPS2.0の事故報告申請方法

まず、ドローン情報基盤システム2.0にログイン。

トップページから下の方へスクロールして「航空法に基づく無人航空機関係手続の一覧」にある【事故等の報告へ】をクリック。

事故報告1

【事故等の報告へ】ボタンを押すと、事故等報告メインメニューが開きます。
「事故情報一覧」をクリックしてください。

そして、新規事故等報告種別を選びます。

・飛行許可を取得して飛行していた場合⇒「事故等の報告(DIPS2.0で申請した飛行)」をクリック。

・飛行許可を取得していない場合⇒「事故等の報告(その他飛行)」をクリック。

飛行許可の有無で報告先が違うからですね。

ここからは必要事項の入力です。
入力項目は下記の様になります。

・「事故等区分」欄で“事故”、または、“重大インシデント”を選択
・「事故等の種類」に該当するものを全てチェック
□無人航空機による人の死傷 □無人航空機による第三者物件の損壊 □航空機との衝突又は接触 □航空機との衝突又は接触のおそれがあった事態
□飛行中において無人航空機が制御不能となった事態又はそれによる無人航空機の紛失 □飛行中における無人航空機の発火 □その他(詳細:)

・「許可・承認番号」を選択
・「報告者情報」欄に報告者の情報を入力
・操縦者を選択
・機体を選択
・発生日時/発生場所を入力
・発生場所の地図を添付
・飛行計画の出発地と到着地を入力
・飛行の目的を入力
・事故/重大インシデントの概要を説明
例)空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、操作を誤り電線に接触し墜落した。本件事案により電線に損傷があったが、人の負傷はなかった。
・「人の死傷状況」「物件の損壊状況」を入力
・「損壊した物件の種類」欄に該当するものを全て選択
□建造物(家屋、ビル、橋など) □自動車 □鉄道車両 □船舶 □その他(詳細)
・「損壊した物件の内部に人が居たか否か」を選択
・「物件の損壊の発生場所において立入管理措置が講じられていたか否か」を選択
・「物件の損壊に伴って停電、通信障害、道路の閉鎖、公共交通機関、公共施設の休止等の影響が生じたか否か」を選択
・「物件の損壊に伴って人(第三者)に危険が生じたか否か」を選択
・「制御不能又は発火に伴って複数の人に危険が生じたか否か」を選択
・「人の死傷状況がわかる医師による診断書、物件の損壊状況の写真」を添付
・「機体の損壊状況」を入力
・「機体の損壊状況の写真」を添付
・「報道機関等からの問合せ有無」を選択
・「警察への届出有無」を選択

全てを入力後、「報告」ボタン

ドローン専門行政書士

まとめ

いかがでしょうか?
航空法における事故/重大インシデント後の対応について参考になりましたでしょうか?

ドローンの登録台数の増加に伴い、新規ユーザーも増えることでますます事故や重大インシデントの事例は増加していきます。
骨折などの重傷、死亡事故等。
決して他人事ではなく、あなたと同じドローンユーザーが事故を起こしています。

日常点検や整備、ドローンと操縦者や第三者との適切な距離での飛行などを心がけ、可能な限り事故の可能性を低くしましょう。
事故が起こっても焦らず、まずは救護者の確認⇒警察への通報⇒保険会社への連絡⇒事故報告

車の事故と同じです。当たり前のことができていれば大丈夫です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です